ヒラリーの髪型遍歴も、戦略的だった


アメリカの大統領選も山場を迎えようとしています。大統領選挙というと、忘れられないのが、一つ前の選挙。
アメリカ初の女性大統領が誕生するかと思われた、ヒラリー・クリントンとトランプとの一騎討ちでした。

ヒラリーは、かなり意図的に戦略的に、自分の見た目を武器にしてきた政治家だと感じます。

大統領夫人として、いわゆるファーストレディだったときは、彼女の髪型はいかにも「奥様」的な髪型でした。一歩下がって夫を支える。そんな雰囲気を髪型でもアピールしていたのだと思います。

 

これが上議員議員に出馬するとなったときは、ばっさりショートヘアに。国を任せられる強さを全面に押し出す髪型で選挙戦を戦いました。

そして、大統領選では、そのショートヘアを少し伸ばし、やわらかさのあるショートヘアにチェンジ。勇ましい雰囲気の上議員議員時代の髪型とは違って、保守層にも支持されやすい母性をも感じさせる髪型になっていました。

 


トランプ再選で、またアメリカにはボウズ女性が増える?


結果的にトランプに敗れてしまったヒラリーですが、この時、ヒラリーの敗北を哀しんだNYの女性たちに、一大ヘアチェンジブームがきたのはご存知でしょうか?

「女性は家庭に入るべき」
「女性は女性らしく生きろ」
といった、トランプの主張に反対するNYのキャリアウーマンやトップモデルたちの間で、ボウズヘアが流行りました。この頃、スカートではなく、パンツスーツで出勤する女性も増えたと聞きます。時代を巻き戻すようなトランプの主張には屈しないという、女性たちの意志の現れだったのでしょう。

日本ではなかなか考えられないことですが、髪型が政治信条をあらわすひとつの主張になることもあるんだなあと、非常に興味深く感じました。

そうやって考えると、いろんな職業の人の髪型をウォッチするのも楽しくなると思います。

それではまた、土曜日に。
 

イラスト/白ふくろう舎

前回記事「日本の女性大臣の92パーセントはショートヘアである理由」はこちら>>

 
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