7. プレゼンやスピーチの説得力を下げる場つなぎの「えー」「あのー」。沈黙を恐れないことが克服のカギ
 


「〜というわけです。えー次の資料をご覧ください。えーーこの昨年度のグラフを見るとこのようにえーー明らかです。えーなぜなら……」

プレゼンやスピーチの機会が多い方は意識したほうがいい口癖が「えー」です。言葉自体に意味はないのに出る“場つなぎの口癖”です。不自然なくらい多いと準備不足を露呈したり、「緊張しているんだな」「詳しくないのかもな」という印象を与えてしまったりします。自分で気になってしまう、人から言われて録画を見たら本当に連発しているから直したい、という方は、後述の方法を試してみてください。緊張していると、思考より先に声が出てしまいます。それをちゃんと声より思考を先行させて「自分で話しながら自分で聞く」練習です。これは「えー」の口癖を改善する効果だけでなく、スピーチに力強さ、説得力が加わり、相手を動かすことに繋がりますよ。

 

「えー、あの、その」など“場つなぎ口癖”の直し方 

①〜④のシチュエーションで「えーあのその」が出ないように録音してみましょう。③までは何も見ないで言います。

① 思い出す必要がない文章で録音する。
「(名前)です。住所は〜です。電話番号は〜です。誕生日は〜です」と思い出さなくても言える情報を「えーあのその」を言わないようにして録音して聴く。「えーあのその」を意識しやすいので、比較的容易です。

② 思い出す文章で録音する。
「今日の夕食は〜でした。昨日の夕食は〜でした」ほか、家族の誕生日を全部言うなど。思い出す時には「えーあのその」が出やすいですが、そこは「沈黙」です。話し方が不自然に感じても言わないように意識してください。

③ 説明する文章で録音する。
「折り鶴の作り方を折りながら説明、薔薇、の書き方を書きながら説明」など。わざわざ言葉にしたことがないことを言語化していきます。考えながら文章を作る時には沈黙や間が気になり場つなぎで「えーあのその」を言いたくなります。何度も繰り返すことで、不自然さが取れてきます。

④ 自分の仕事で実際に話すプレゼンやセールストークで録音する。
①〜③の全ての要素がミックスされています。以前よりだいぶ「えーあのその」が減っていませんか?

 

口癖は、大人になってからでも直ります


口癖は他人から言われるよりも、「この言葉が口癖なんだな」と自覚して、それは自分に必要な語彙か、自分らしい言葉か、なりたい自分が使っていたい言葉か、を問いかけることが直す近道です。1日のどこかで短時間、意識することを重ねていれば、ふとした時(目安は2週間〜1ヶ月)、自然に言い換えられている自分、口から出さない自分に気づくでしょう。「この会議の間だけでも“えー”を言わないぞ」「家に帰って子供を遊ぶ時だけでも“疲れた”を言わないことにしよう」と時間を決めて「口癖NGキャンペーン」を実施してみましょう。大人になってからでも、口癖は意識すれば直ります。

【まとめ】つい言いがちな口癖7つと対処法


1. はいはい→意識しても繰り返してしまうなら「承知しました」などに言い換え。

2. なるほど!確かに!→「そうですね」「そうですよね」「勉強になります」など別のあいづちに言い換え。

3. 必要以上の「すみません」→①真摯に謝罪後は、トラブルへの対処を優先。②謙虚の「すみません」は「失礼します」「ありがとうございます」などに言い換え。

4. 忙しい→愚痴なら封印。断る言い訳なら代案を出す。

5. 疲れた→自分が疲れている時は部下に労いの言葉をかける。

6. 面倒くさい→ポジティブな思考に着地する。

7. えーあのその→沈黙や間を怖がらない。話しながら冷静に自分の声を聞く。

 

構成/幸山梨奈

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