「漏れるのが不安で旅行に行けない」「いつもトイレばかり探してしまう」など、トイレの悩みのせいで日々の楽しみや好きなことが出来なくなってしまうのは悲しいし、何とかしたい。年のせいだから仕方ない、と思っている人も多いようですが、本当にそうなのでしょうか? 今回は頻尿や尿漏れを引き起こす「過活動膀胱」について、自由が丘ウロケアクリニックの佐藤亜耶先生に教えていただきました。

 

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1.過活動膀胱って、どんな病気?

 

過活動膀胱とは「膀胱自体が過敏になっている状態」です。尿が少し溜まっただけで膀胱がギュ~ッと反応して、排尿しようとすることをいいます。通常の尿意のようにちょっと我慢する、ということができないため何度もトイレに行くようになりますし(頻尿)、自分の意思に関係なく急に強い尿意が襲ってくるので、間に合わずに尿漏れを起こしてしまうのです。


2.頻尿セルフチェック


そもそも頻尿は一人ひとりの自覚的な問題なんですね。たとえば私は1 時間に1回の頻度でトイレに行っても気にならないタイプですが、人によっては3時間に1回程度でも「頻尿かも?」と思う人もいますから。

泌尿器科学会では「1日に8回以上トイレに行くと頻尿」という基準を設定していますが、生活スタイルや摂取している水分量などによっても変わりますので、あくまで目安として考えてもらえたらと思います。

うちのクリニックでは、皆さんに「2時間くらいもてば十分ですよ」と、お話しています。1時間もたない場合は、やはり頻尿だと思ったほうがいいかもしれませんね。「3~4時間はもたないとどこか悪いのでは」と思われる人もいますが、そこまで頑張らなくて大丈夫ですよ(笑)。


3.頻尿の治療法、期間


頻尿に有効な治療法に、膀胱を広げるお薬というのがあるんです。急な尿意を抑えられるので過活動膀胱の人などにはすごくいいですし、それを飲むだけでも全然違いますよ。

頻尿だと、観劇などにも行きにくくなりますよね。開演中は席を立ちづらいし、休憩時はトイレも混みあう。そう考えると、不安から余計に行きたくなってしまいます。
同じように「試験の時にトイレに行きたくなりそうで不安」という若い子もいて、とくに受験の時期はそういった理由での来院が多くなります。この場合も服薬をおすすめしています。

 

うちのクリニックにも以前、「フィギュアスケートの大会を観に行くので、その前に頻尿を治したいんです!」と言って来られた方がいました。氷のすぐ横に席があり体が冷える中で、どうにか2時間席を立たずに観られるようにしたい、と。すごく切実でした。この方も、体操や服薬の効果で頻尿を克服。「無事に最後まで観られました!」と報告して下さった時には、2人で「良かった~!」と喜びあいましたよ。


年だから治らない、と思っていませんか?

「年のせいだから仕方ない」「きっと治らない」と諦めている人がすごく多いのですが、的確な治療を受ければ、確実に治っていきます。なので皆さん、「もっと早く来れば良かった~~!」っておっしゃるんです(笑)。

頻尿が治ると生活のクオリティが上がりますし、今まで断るしかなかった旅行や友達との約束も行けるようになります。おかげで皆さん明るくなるし、考え方も前向きになっていくんですよ。ですから諦めずに、一度病院で相談していただきたいです。

佐藤亜耶 Aya Sato

自由が丘ウロケアクリニック院長。女性泌尿器科、小児医療センター等の病院に勤務後、女性と子どものための泌尿器クリニックを開院。医学博士、日本泌尿器科学会認定専門医。二児の母でもある。


取材・文/梅田千恵(スタジオ・コル)
イラスト/徳丸ゆう
構成/山崎恵

 

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