本日10月19日(月)から1週間、東京メトロ表参道駅構内にはミモレ5周年を記念したポスターが登場します。そこに写るのは女優の板谷由夏さん。ミモレが描く女性像を体現されているかのようなスタイルある女性です。ミモレ5年の歩みの中でも、何度もご登場いただいたご縁もあり、今回5周年のアニバーサリーのポスターにご出演いただくことになりました。
ミモレがスタートした5年前はちょうど板谷さんは40歳を迎えたばかり。それから5年、ファッションやライフスタイルに変化はあったのでしょうか。そして今年のステイホーム期間で感じたことをお話しいただきました。
板谷由夏 1975年生まれ。女優として数々の映画やドラマに出演する一方で、2015年よりアパレルブランド「SINME(シンメ)」のディレクションを手がけるなど多方面で活躍。毎週金曜よる9時30分~WOWOW「映画工房」に出演中。
シャツワンピース¥49000(サヤカ デイヴィス)、上・ネックレス(YG)¥14000(マリア ブラック)、下・ネックレス(YG×WG×ダイヤ)¥128000(マリハ)/ショールーム セッション
ご自身のアパレルブランド『SINME(シンメ)』のディレクションもされている板谷さん。以前のインタビューではトラッドでベーシックなものが好きだとお話しされていましたが、最近はどうでしょう?
「ファッションに関しては、何も変わってなくて。普遍的なものが好きだし、ベーシックなものが好き。洋服がいちばん変わっていないかもしれない。もしかしたら着られなくなったものはあるかもしれないけれど、“着られなくなった”とネガティブにとらえるようなことはしたくなくて。ネガティブにとらえるのは、年齢を重ねた自分を否定することになるし、その年齢でこそ似合うものがあると思っているし、思いたい(笑)。それを探したいとも思っています。
そして、多少値段が張ったとしても、きちんと長く使えるものを買おうという意識はさらに増している気がします。それは服を買うときもそうなんですが、ディレクションしている『SINME』で服を作るときでも同じ。次のシーズンに着られなくなるような服は作らないようにしています。
20代の頃から穿いているジーンズを80歳でも変わらずに着られる自分でいたいという目標があって。そんな私だから、きっと5年後も10年後も、そのあともファッションに関しては変わらないんじゃないかなと思っています」
ライフスタイルには変化はありましたか? またさらに5年後、10年後はどんなふうに考えていますか?
「今年はステイホーム期間があって、誰しもそうだと思いますが、大きく気持ちに変化がありました。みんな薄々気づいていたけれど、目を瞑っていたことをはっきりと自覚することができたのがステイホーム期間だったと思います。何が本当に大事で、これから何を大切にしていくのか、私にとっては家族だなと再認識しました。こんなにみっちり子供たちと過ごすのも初めてで、コミュニケーションを重ねる中で見えてきたものもたくさんありました。仕事は大好きだし、仕事がないと生きていけないけれど、もう無理はしないし、頑張り過ぎない(笑)。30代や、40代前半は挑戦の連続で、どこまでできるか限界を探っているようなところもあったけれど、これからはトライ精神は忘れずに、でも無理はしないようにしようと決めました。
これからの5年で私はちょうど50歳。今の時点でもすでに子供たちもだいぶ大きくなって、もう自分より先を進んでいるなっていう気がしています。そろそろ子育てが終わった後の自分の趣味を考えておかないと、と思っていて。ひとつ考えているのは山登り。父が好きで、子どもの頃はよくしていたんです。年齢を重ねて、つくづく自然がないと生きていけないなと感じていて、もっとちゃんと自然を味わうことをしたい。憧れは北海道の知床でトレッキングです。子供たちが巣立ってから始めても体力や気力が間に合わない気がするので、今から山に登れる体力はつけておかないと思っています」
現在も女優、そしてブランドディレクターと多岐にわたりご活躍されていますが、今後お仕事で挑戦したいことはありますか?
「実は”旅”に関する仕事がしたいなと思っています。大人になってからの旅で得られるものって若いときとはまた違うでしょ? 何か新しいことに挑戦したいと思うのは、冒険したいからなんだと思う。なんとなく、”わかっている風“を含めて、だいたいのことはわかってきたし、できてしまう。それがイヤで2年前にも舞台に挑戦しました。それが今は旅なのかなと。知らないことを知るには、もう土地を変えるしかないなと思っていて。
今はまだ旅は難しい部分もありますが、ただどこかに行くだけが旅ではないんだと思います。たとえば映画を観たり、音楽を聴いたり、本を読んだりすることも脳内での旅なんですよね。今は、今できる”旅”を充実させています」
新しいことや変化が怖かったり、変わりたいのに変われないと悩む人も。アドバイスするとしたら?
「変わっていくは怖いことではないし、もし『変わりたいけれど変われない』と悩んでいる方がいたとしたら『変わりたいと思ったときには、もう変わり始めているよ、大丈夫』と言ってあげたい。変わろうと思ってもがいているということは、もう動いていること。動き始めたら、きっと別のところにたどり着くはずだから!変わるにしても変わらないにしても、決めるのは誰でもない自分。どんな選択をするにしても、自分で納得するまで考えに考えて決めることが大事なんじゃないかな」
問い合わせ先
ショールーム セッション 03-5464-9975
スタイリング/酒井美方子
ヘア/林カツヨシ
メイク/MICHIRU(3rd)
取材・文/幸山梨奈
構成/朏亜希子(編集部)
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