こんばんは。編集・川端です。「真夜中の読書会」第30夜をお届けします。
今夜は青森県にお住まいのコリコさんからいただきました「長く恋をお休みしていた40代が、久しぶりに恋したいなぁってピュアに思える本が知りたいです。デートとか、相手への連絡とか今更ながらどうしたら良いのか?といった等身大のお話があったら嬉しいです」というリクエストにお答えして、山本文緒さんの新刊『自転しながら公転する』をご紹介したいと思います。
山本文緒さんといえば、集英社コバルト文庫。我が青春を彩った恋愛小説の大家!というイメージなのですが、『プラナリア』で直木賞を受賞、大人の恋愛小説もたくさん書かれていて。今回の『自転しながら公転する』は、実は7年ぶりの新作なんですね。
アパレルの契約社員としてアウトレットで働く30代、独身女性の都が主人公の小説です。回転寿司屋でアルバイトをしている彼との結婚を迷いながら、重い更年期に悩まされる母親の面倒もみつつ、ショップ内ではセクハラや販売員のSNS問題が勃発して……というお話です。
コリコさんのリクエストだった恋愛の煌めきが思い起こされる小説とはちょっと違うかもしれないのですが、二人の恋心だけに没頭できない世代の「誰かと付き合うってどういうこと?」のリアルが描かれています。恋愛も生活も仕事もいろんな小さな決断を自分一人で決めなきゃいけないなんて大変すぎる! ベストチョイスを掴み取ることに必死になりすぎなくていいのかも……そんなふうに思える本です。
<今夜のトークテーマ>
・先に結末が分かっているサスペンス型生き方小説?
・置かれた場所で全力で咲きます!ではダメですか
・両親と女友達の結婚相手への厳しい値踏みについて
【第30夜】迷いながら、流されながら「正しい選択」から逃げてもいい
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<今夜の貸し出しカード>
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<次回>
10月21日(水)22時配信予定
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撮影/塚田亮平
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