――今改めて、お互いのことを語るとしたら?
楽駆:迅くんは、優しすぎる人です。何でもすぎるのは良くない!
白洲:(照れ臭そうに)あはは。
楽駆:常に周りを客観的に見ていて、気が遣えるし、人を包み込むような空気が内面から出てきている。素敵な人です。
白洲:ありがとうございます(照)。
――じゃあ、今度は白洲さんの番です。
楽駆:言われたくないな〜(照)。
白洲:楽駆は人の感情にも自分の感情にもとっても敏感な人。僕の方が年上だし、普段僕は聞き手に回ることが多いんですけど、楽駆が相手だと不思議と何でも話せちゃう。そういう人の心に寄り添ってくれるような空気感を楽駆は持っているんです。
人を信じた方が絶対に人生は豊かになる
――この作品を演じ終えた今、改めて「愛すること」とは何ですかと聞かれたら、おふたりは何と答えますか。
楽駆:僕は、「信じるか、信じないか」だと思います。実は上京した当初、人を信じられなくなった時期がちょっとあって。大人って口約束が多いじゃないですか。僕はもともとできないことを軽はずみに言わない性格だったので、そういうことが何度か続いて、ちょっと人間不信みたいになっちゃったんですね。
――そうだったんですか。そこからどうやってまた信じる気持ちを取り戻したんですか。
楽駆:今の事務所との出会いが大きかったですね。社長やスタッフさんと出会って、人って信じていいんだと改めて思えたというか。事務所の同期の仲間も含めて、すごく大きな出会いになりました。それこそ迅くんとの出会いもそうです。迅くんは、常に人を傷つけないように言葉を選んでいるし、嘘がない。そういう人たちに出会うたびに、人を信じたい気持ちがまた生まれてきて。やっぱり人を信じた方が絶対に人生は豊かになる。もし裏切られたとしても、そのときはもうそれで仕方ないと思えるぐらい、人を信じていこうと今は思っています。
白洲:愛が深ければ深いほど幸せも大きくなるし、失う怖さも募りますよね。そして、失うたびに人を信じられない気持ちになる。人生ってその繰り返しだと思うんです。でもそういう経験を通じて、人を知ることができるし、自分を知ることもできる。愛することは尊いことだって、この作品をやって改めて感じました。だから、どんなに怖くても、愛することをやめないでって思いますね、なんか歌の歌詞みたいだけど(笑)。
楽駆:本当だ。歌詞みたい(笑)。
白洲:この間、あるテレビ番組で「20代男性で本気で人を好きになったことがない人は42%」というデータが出ていたんですね。それを見て、僕はちょっと衝撃だったんですけど。
楽駆:でもそんなふうに人を本気で好きになったことがない人や、恋って何だろう、愛って何だろうと考えている人にこの作品を観てもらったら、きっと少し心が晴れやかになる気がする。
白洲:うん。あとは、僕の演じた晃と同じように、周りからの目に縛られていたり、失敗しないように生きていかなくちゃという考えにとらわれている人にも観てほしい。きっと何か伝わるものがあると思うので、ぜひたくさんの人に晃と夕希の恋と人生を見届けてほしいです。
白洲 迅 Jin Shirasu
1992年11月1日生まれ、東京都出身。2011年、舞台「ミュージカル テニスの王子様」でデビュー。以降、ドラマ「ごめんね青春!」(TBS)、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」、「愛してたって、秘密はある。」(NTV)、「僕はまだ君を愛さないことができる」(CX)などに出演。映画では主演作『Back Street Girls -ゴクドルズ-』(19)、『HiGH&LOW THE WORST』(19)などのほか、11月には『10万分の1』の公開も控えている。
楽駆 Raiku
1996年11月30日生まれ、大分県出身。映画「最初の晩餐」で第34回高崎映画祭 最優秀新人男優賞を受賞。主な出演作に映画「地獄少女」、ドラマ・映画「女の機嫌の直し方」、ドラマ「ハイポジ」などがある。
<作品紹介>
『Life 線上の僕ら』ディレクターズカット版
下校中の一人遊び「白線ゲーム」で偶然出逢った、生真面目な晃と天真爛漫な夕希。白線の上だけの逢瀬にもどかしさを覚えた晃は、咄嗟にキスをしてしまい……。
“泣けるBL”として圧倒的支持を誇る人気マンガを実写化、日本のみならず世界中から大反響を呼んだドラマがディレクターズカット版として劇場公開に。ドラマ本編に未公開シーン、さらにドラマにはなかった2人の“人生のエンディング”も。
10月23日(金)より、物語の舞台となった仙台のチネ・ラヴィータにて先行ロードショー。また10月30日より(金)、シネマート新宿にて1週間限定レイトショー。
またドラマ版も各種VODサービスにて好評配信中。詳細は公式サイトにて。
衣装問い合わせ先/
スタジオ ファブワーク tel.03-6438-9575
IVXLCDM 六本木ヒルズ tel.03-6455-5965
スタイリング/持田洋輔(白洲さん)、八木啓紀(楽駆さん)
ヘア&メイク/茂手山貴子(白洲さん)、中村兼也(Maison de Noche、楽駆さん)
取材・文/横川良明
構成/山崎 恵
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