SNSを通じて未成年を誘惑するセレブたち

Photo by Hayk_Shalunts / Shutterstock.com(写真はイメージです)

そして、最近では、これまでの“職場でのセクハラ”とはちょっと違う、男性セレブによる若い女性ファンへの行動が暴かれてきています。ひとりは「ベイビー・ドライバー」の主演男優アンセル・エルゴート。今年6月、ツイッターで、ギャビーと名乗る女性が告白したところによると、当時17歳だった彼女は、ソーシャルメディアのDMで当時20歳だったエルゴートに連絡し、直接会った結果、暴行を受けたとのこと。彼女は「嫌だ」とはっきり言った、痛くて泣いたとも明かしています。一方、エルゴートは、彼女との関係は合意の上での、短い付き合いで、暴行ではないと主張しています。ほかには、スタンドアップコメディアンのクリス・デリアが、ソーシャルメディアで未成年の少女に卑猥なメッセージを送り、性的行為をしようと誘ったという事実も暴露されました。この後、Netflixは、彼が出演していた番組から彼を降板させています。

 

世界規模で広がった「#MeToo」運動の影響で、多くの男性たちは、行動に気をつけようと意識するようになりました。それでも、残念ながら全員ではありません。同時に、女性たちのほうは、世の中を変えるためにも、自分の中に抱えてきた苦しみを解決するためにも、立ち上がることが必要だと認識するようになっています。問題は、まだ解決していません。これからも、私たちは、被害者の声に耳を傾け、正しい社会を作るために行動していかなければならないのです。


猿渡由紀
L.A.在住映画ジャーナリスト
神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『週刊文春』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイ、東洋経済オンラインなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。

構成/榎本明日香
 
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