インフルエンザ予防接種、打つべき人、打ってはいけない人_img0
 

「そろそろワクチンを打ちに行かなくちゃ」
そんなふうに考えている方も多いことでしょう。今日の記事では、インフルエンザワクチンはどれくらい有効なのか、本当に安全なのか、などワクチンに関していただいた、9つの疑問に答えていきたいと思います。

(この記事は2020年10月27日に配信した人気記事の再掲載です)

 


【質問1】インフルエンザワクチンはどうやって効くのですか?


多くの皆さんが接種するインフルエンザワクチンは、「不活化ワクチン」と呼ばれ、ウイルスの「殻」が含まれています。感染力のあるウイルス自体が含まれているのではなく、ウイルスをあらかじめ殺しておき、抜け殻だけが抽出されて、ワクチンとなります。

この抜け殻を打つと、人の体はウイルスが入ってきたものと勘違いをして、ウイルスに対する「抗体」を作ります。この「抗体」は病原体に対する追跡弾のようなもので、一度作られると一定期間体の中に保管しておくことができます。このため、ワクチンを打っておくと、いざ実際に本物のウイルスが体に入ってきたときにも、このストックしておいた追跡弾ですぐさま駆除することができるのです。

仮にウイルスが一度にたくさん入ってきてしまえば、追跡弾の仕事が間に合わず、ワクチンを打っていても発症してしまうかもしれませんが、少なくともウイルスを部分的にでも駆除することができ、症状を軽くしたり、治るまでの時間を早くしたりする効果も期待できます。

毎年「インフルエンザワクチン接種を受ける」というのは、定期的に防災訓練をしておくのと同じようなことです。普段から訓練をしていないとどうやってどこに避難していいのかわからず、災害に巻き込まれてしまうリスクが高くなってしまいます。しかし、ワクチンで防災訓練ができていれば、完璧ではないかもしれませんが、いざ災害(ウイルス)がやってきても、すぐにテキパキと避難できるようになるのです。
 

【質問2】実際どのぐらい効果があるのですか?


「感染を防ぐ」という意味では、年によっても変わりますが感染する確率を5割前後減らすことができると報告されています(参考1・2)。5割しかないのかと思われるかもしれませんが、期待できる効果はそれだけではありません。先ほど防災訓練の例を挙げましたが、ワクチンを接種しておくことで、訓練された体が迅速に反応し、ウイルスを早く駆除するのを助けてくれます。

このため、仮に感染してしまっても、症状が軽くなったり、治るまでの期間が短くなったりするような効果を見込むことができます。

また、高齢者では、重症化やインフルエンザ後の肺炎を防ぎ、入院を防ぐような効果も報告されています(参考3・4)。自分は若いから関係ないと思われるかもしれませんが、ワクチンを接種し自らの体を守ることで、同居の高齢のご家族や自分のコミュニティーの高齢者を守ることにもつながります。

自分のためだけではなく、自分を取り巻く家族や友人を守るためでもあるという意識を持っておきたいものです。

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