――肌が安定してくるまでに、これまでどんな試行錯誤があったんですか?
私はその前に通っていたクリニックで、ステロイドを使ったケアを1年ぐらい続けていたんです。
その当時は赤みや痒みなどのトラブルが酷くて選択肢としてステロイドの使用は仕方なかったけど、でもやはり長い目で見たときに、このパターンは卒業しなきゃいけないなと。
それで脱ステロイドを目指していたんですけど、今のクリニックに移ってからステロイドなしでトラブルが起こらないところまで回復してきたから、肌が安定してきているんだなぁとは実感しています。
――ステロイドを使っていたとは、それはけっこう悩まされていた感じですね。
前回もお話したんですけど、35歳で体調が劇的に悪くなったとき、肌質もすごい変わってしまったんですよ。それまで使っていた化粧品が急に合わなくなってしまって。
それまで長く愛用していた基礎化粧品も肌に優しいナチュラルなものだったんですけど、それすらも合わなくなったのは衝撃でしたね。
精神的なダメージも大きかった時期だから、化粧品だけが問題じゃなかったとは思うんですけど。
――合わなくなったとは、どんな症状が出たんですか?
つけるとヒリヒリして赤みが出て、頬の辺りがボコボコと腫れちゃって。
それで焦って、「これやってみよう、あれもしてみよう」と肌が敏感になっているところに追い打ちをかけるようなことばかりして。完全に悪循環でしたね。
でも仕事柄、人前に立つのでとりあえず見た目を落ち着かせなきゃいけない。映像って赤みは隠せても、凹凸は隠せないんですよ。
そうなると、今だけ……とステロイドを使ってしまう。だけどやっぱり、これをずっと使い続けられるわけじゃない、根本的に改善しなきゃと思って、食べるものを気を付けたり、生活リズムを見直したり。
今の状況は何が原因!とは一概に言い切れないだろうと思って、自分の生活を作る全てのものに目を向けて意識しました。
――遅延型アレルギー検査を受けると、原因物質が分かることもあるらしいですよ。
もちろん受けてます!そしたら平均値超えのアレルギー反応がたくさん出ちゃって、「もう何も食べられないじゃん」ってレベルでした(笑)。ただ即時型のアレルギー検査ではヒットしないし、あまりストイックに考えすぎずに対応しています。
外食では気にせず何でも食べて、自分でコントロールできる状況下でのみ多少気をつけている感じかな。やっぱり好んでよく食べるものに強く炎症反応が出ていたので、多少は意識しなきゃいけないんだなと。
元々私が検査を受けたのは、ある映画の撮影中に遅延型アレルギーの話で盛り上がったのがきっかけなんです。教えてくれた女優さんは小麦に反応が出て、グルテンフリーの食事をオーダーして、3食それを配達してもらってるって話していました。
そこまで徹底できたら凄いけど、私は子供もいるし、現実的にそこまで除去して生活するのは難しいですよね。
――皆さん、キレイでいるために苦労されているのは、私たちと同じなんですね!SNSとかでは「肌がキレイでうらやましい」なんて書き込みが目立ちますけど、そのギャップというか、その裏にはやっぱり努力があるんだな、と。
役者の仕事って、美しさが求められる瞬間もあれば、美しさとは真逆な要素を求められる瞬間もあるから特殊なんだけど、でも何をするにも健康な美しい肌があれば表現の可能性が大きく広がる。
隠すものがなければファンデーションの量も少なくて済むし、メイク時間も短くて済む。今はマスクが生活の一部になって、これまでとは違う肌トラブルが増えた人も多いだろうけど、肌の底力を上げて、外的刺激にも耐え得る強い肌を作れるかがポイントですよね。
特に私たちの仕事ってキレイに仕上げた状態を見てもらうことが多いけど、それだけに、撮影がハードな状況下でも負けない身体を作りたいなと。そのためには肌のケアだけじゃなく、体質から根本的に改善することが必要だと思っています。
――体質改善ということでいうと、どんなことを意識していますか?
やっぱり有酸素運動したり、筋力をあげたり、身体の詰まりをとって巡り良くすることは大事だなぁと。
私は首の後ろの付け根部分が詰まってコリが溜まりやすいから、必ずメイク前にほぐすけど、やるとやらないでは顔色も全然違う。小さな積み重ねって大きいですよね。
40代にもなると表面的なアプローチだけでは追いつかない。内側と外側、どちらも大事にして、プロのケアも上手く取り入れたいですよね。
だって女性にとって「肌の調子がいい」ことは、ものすごいモチベーションだから。「あ、いいかも!」って思えるだけで、外に出ようと思うし、人に会いたいと思う。「すごくいい!」じゃなくていい。「なんかいいかも!」っていうくらいの状態をキープできるように、 お手入れを楽しんでいきたいです。
スタイリスト/斉藤くみ
ヘアメイク/北一騎
取材・文/山本奈緒子
構成/片岡千晶(編集部)
<衣装お問い合わせ先>
ジャーナル スタンダード 表参道 tel. 03-6418-7958
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ショールーム セッション tel. 03-5464-9975
ノーク tel. 03-3669-5205
前回記事「ともさかりえさん髪の悩み「若い頃から試行錯誤してきた髪質」」はこちら>>
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