モデルとして、テレビ出演やラジオパーソナリティとしても活躍中の浜島直子さん、愛称“はまじ”。44歳の彼女が、ファッション、ビューティ、ライフスタイル、さまざまなジャンルで新しい自分を発見していく連載です。
毎日の時間の流れが変わった夫への贈り物
年齢と共に、ご褒美に対する考えが変わったはまじ。彼女が旦那さんへの50歳の誕生日プレゼントに選んだのは、腕時計でした。
はまじ「彼が40歳の誕生日プレゼントも腕時計。当時は代理店でCM制作をしていたので、常にストップウォッチを持ち歩いていました。手元にないときでも時間が計れるようにとクロノグラフを選んだら、すごく気に入って、毎日使ってくれていたのですが、フリーランスになり、今は絵本や映像の仕事など、じっくりと机に向かう時間が増え、腕時計の出番はお出かけのときだけ。さらに、着る服もヤエカや無印良品など、年々シンプルなデザインに。そこで、年齢とともに洋服の好みも、時間の流れも変わってきたのだから、腕時計も買い替えたらどう?と提案したんです」
多機能で便利なクロノグラフから、シンプルなアンティークの腕時計へ。今のライフスタイルにフィットする、心地の良い腕時計を贈ることができたのは、毎日を一緒に過ごしていたからこそ気づけたのでしょう。これまで使っていたクロノグラフを手放し、アンティークのシンプルなデザインの腕時計に。
はまじ「私はその日の気分とかファッションで付け替えられるから、二本持っていてもいいと思うのですが、彼は『これは感謝して手放す。誰かに毎日のように使ってもらうことにするよ。それに僕は一つのものを大事にしたいから』って」
いずれ息子に譲り渡したいもの
はまじ「夫が腕時計を買ったお店は、ベルトの交換や修理などアフターケアの相談にも乗ってくれるので、彼はメンテナンスをしながら使い続け、いつか息子にあげるつもりだそうです。こうやって、いつか次の代にと思いながらメンテナンスをしながら使い続けることは素敵なことだと思います。電池が切れたら、息を吹き返すように新しい電池を入れてあげて、ベルトが擦り切れたら垢を落とすかのように交換して。アンティークやヴィンテージには、新品では味わえない魅力がありますよね」
ご褒美はメンテナンスをしてこそ一生もの
はまじ「革靴のメンテナンスに特化した『ブリフトアッシュ』の経営者、長谷川裕也さんが、私のラジオにゲストでいらしてくださったことがきっかけで、革靴もメンテナンスをするようになりました。彼はNHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』で取り上げられた方で、世界一の靴磨き職人さん。その場で私の革靴を磨いてくださったのですが、艶を取り戻し、見事に蘇りました。それまでお手入れってなんだか面倒だなぁと感じていたので……。革靴をメンテナンスをせずに放置していたら、フォルムが変形してしまったことを長谷川さんにすると、『革靴は手を加えれば、人の肌と一緒で美しさを保つことができます。今からでも遅くないので、シューズキーパーをぜひしてください。』と。早速試してみると、すぐに効果がありました。甲の部分の深いシワが綺麗に伸びていたんです!」
ものを大切にする人へ「メンテナンス」という贈り物
はまじ「それから長谷川さんがあるご夫婦の話をしてくれました。奥様から旦那さまへのプレゼントに、長谷川さんご指名の靴磨きを贈りたいと問い合わせがあったそうです。
それから靴を預かり、ピカピカに磨き上げてお渡ししたら、『靴が生き返りました』とご夫婦ともに大変喜んでくれたのが、とても印象に残っているそうです。相手が大切にしているものを理解しているからこそ、さらにグレードアップさせてあげたいというのも、素敵な贈り物ですよね。一つのものを大切にしたいという夫にも、いつかこうしたプレゼントをしたら、喜んでくれるかなと思っています」
取材・文/笹本絵里
構成/幸山梨奈
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