11月15日から配信スタートした、Netflixオリジナルドラマ、「ザ・クラウン」のシーズン4。イギリスのエリザベス女王2世と英国王室を描いたこのドラマは、エリザベス女王本人もお気に入りと公言し、英国王室メンバーも観ている、言わば「英国王室御用達」ドラマ。王室のダークな面も赤裸々に描いていて、それをロイヤルファミリーたちも普通に鑑賞しているというのが、ブラックジョーク好きなイギリスっぽいなあと思います。
待望のシーズン4では、ダイアナ元妃とボディガードのバリー・マナーキーという男性の不倫を赤裸々に描いていることでも話題に。
私はまだシーズン4を観ていないのですが、この不倫については、ダイアナ元妃自身が、ボイスコーチとの会話を録音したプライベート・テープで語っていたもの。1985年、ダイアナが24歳のときに彼女の専属ボディガードに配置されたバリーは、写真を見ると、渋い雰囲気で長身のハンサム。彼自身もふたりの娘を持つ既婚者だったのですが、温かみのある話し方と気さくな人柄に、ダイアナの心はすぐに打ち解けて深い仲になったと言われています。
そしてテープの中でダイアナは彼について、「彼に対して、私の人生で最も偉大な愛を抱いていたわ。彼と深く愛し合っていたし、彼と生きて行くためなら今持っているすべてを手放してもいいと思えるほど愛していた。彼もそれについて、いいアイデアだとずっと言い続けていたのよ」と語っています。
なぜ過去形になっているのか。それは、ダイアナとの関係に気づかれてボディガードをクビになったバリーが、1987年にバイク事故で亡くなってしまったから。
20歳という若さで王室に嫁いだものの、夫であるチャールズ皇太子には結婚前から交際している人妻の愛人、カミラ夫人という存在がいて、結婚前日に自殺未遂を図っていたダイアナ。浮気を問い詰める彼女に、チャールズは「愛人を持たない唯一のウェールズ公にはなりたくない」と言い放ったのです。
余談ですが、11月20日にエリザベス女王との結婚73周年(!)を迎えた、チャールズの父であるフィリップ王配も、若い頃は女優たちから、果ては息子のアンドリュー王子の奥さんの母親とまで関係を持っていたというから、浮気性は血筋なのかもしれませんね。
話が逸れましたが、そんなチャールズとの愛のない結婚生活の中で、バリーはようやくみつけた愛する人。「彼がそばにいるときだけが幸せ。彼の前では、いつも幼い少女のようになってしまうの」。若くて、“お勉強は苦手”と自認する彼女は、王室で生きるには純粋で弱すぎたのでしょうね。結婚前から常に精神安定剤を服用していたと言います。
そんな中、そのバリーが急逝。しかもその訃報を受けたのは、ダイアナが公務でカンヌ映画祭を訪れている真っ最中。このときの様子について彼女は「あれは私の人生で最も衝撃を受けた出来事だった。私は何千人もの記者たちに囲まれたまま、何も考えられず、憔悴しきってただ座っていたわ」、と。
そして1997年8月31日に、ダイアナは恋人である大富豪のドディ・アルファイドとのドライブ中に、交通事故で帰らぬ人となるのです。享年・36歳という若さで。当時彼女には本命であるパキスタン人医師のハスナット・カーンという存在が居たとも言われ、モハメドはカモフラージュの相手だったという報道もあり、その恋愛関係は謎に包まれたまま。けれど彼女の伝記を読むと伝わってくるのは、常に愛を強く求め続け、それが報われなかった悲しい人生。だからこそ病気の子供たちなどへの慈善活動に精を出し、愛を与え続けた、「愛の人」なのです。
そんなダイアナ元妃がついに登場するシーズン4。どんな風に彼女が描かれているのか、観るのが楽しみです。
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