ただ「可愛い」でも「フェミニン」でもなく「モード可愛い」。大人の女性がおしゃれをするときに鍵になる言葉です。「モード」と聞くと、ちょっと遠いもののように思えますが、実はこの「モード」さが大人の着こなしの大事なスパイスになってくれるんです。一体「モード可愛い」とは何なのかを紐解いていきます。

年齢を重ねると「可愛い」よりも、「シンプル」「マニッシュ」「ベーシック」といった言葉で括られるファッションを好きになる、移行していく人が増えていきます。もちろん、もともと「可愛い」が苦手という人もいます。ただ心のどこかで「可愛い」を求めていながらも、避けたり、諦めている人もいるはず。大人の女性にとっての「可愛い」は何なのか? どうやって付き合っていくのがいいのか。そのことを考えるときのひとつのサジェスチョンになってくれるのが「モード可愛い」というスタイル。

どのスタイルもそうであるように「モード可愛い」もひと言で定義できるものではありません。今回から3回にわたって、さまざまな形で「モード可愛い」を取り入れている方にインタビューを敢行。第1回目は、人気ブロガーの山根亜希子さん。どちらかというとフェミニンできれいめ、ベーシックでコンサバなファッションのイメージがある山根さん。ですが、実は可愛さを含んだコンサバがベースにあるからこそ、辛口な「モード」さがときに必要だと言います。これまでのファッション遍歴などを伺いながら、その真意を探っていきます!


モード可愛いに惹かれるのは40代の今の私がコンサバになりすぎないため

 
 

「私のファッション全体が『モード可愛い』かと言われたら、そうではないんですが、確かに一部『モード可愛い』要素を取り入れるときがあります。たとえば大きなフリル衿のブラウスやちょっと長すぎるかな⁉くらいのボウタイブラウスなど。どちらも素敵だと思って手に取ったものであるんですが、なぜ惹かれたんだろうと思って、改めて考えてみました」

 

 

「どちらにも共通しているのが『極端』だということ。もともとボウやフリルやラッフルは好きなんですが、普通の大きさのものを40代の今の私が着るとただのコンサバになってしまう。年齢以上に老けてしまう気もして……。

20代の頃は若さというか幼さというかフレッシュさというかがあったので、コンサバを着て大人に見せていたんだと思うんです。ナラカミーチェのフリルのブラウスなども流行っていましたよね。そのあと30代はなんだか似合わないなと思ってあまり着ていなかった時期です。着てはいけないんじゃないかと思って、この時期にどんどんファッションがシンプルになりました。そして40代に入って、前よりも世の中も私自身もファッションが自由になってきて、フリルやボウが復活しました。ただ、先に言った通り、40代の私がそのまま着るとコンサバ過ぎるし、老けて見える気もして。だから『極端』で取り入れることに自然となったんだと思います。あと大げさなくらいのほうがそげてきたデコルテをカバーしてくれるかも、という気持ちもあって選んでいたのかもしれません(笑)」

”普通”の大人が「モード可愛い」を着るときに頼りになるのはZARA

 
 

「特別ファッションに精通しているわけでもない私が『モード可愛い』を着るときに頼りにしているのはZARA。今シーズンは大きな襟やラッフルなど、可愛いディテールがトレンドなので、特に豊富に揃っています。モードなエッジが効いていながらも、取り入れやすいデザインに落とし込まれていて、着るのが簡単なんです。私のワードローブの中の『モード可愛い』の大半もZARAです(笑)。コーディネートするときも難しく考えず、基本はデニムと合わせることが多め。もしくはレザーアイテムと合わせることも。ただ『モード』ではなく『モード可愛い』なので、ボトムはやや辛口なものを合わせると着こなしやすい気がします」

意外にも「モード可愛い」面をお持ちのブロガー山根さん。”コンサバになりすぎないため”に取り入れているというのも納得の理由でしたね。たしかに年齢を重ねると自分自身にも迫力や存在感が出てきて、服にしてもアクセサリーにしても、さりげないもの、小ぶりなものは負けてしまうことがあります。そんなときにモードで極端であることは自分自身とバランスを取るためにもちょうどいいのかもしれません。

イタくない! 大人も着られる「モード可愛い」スタイルとは?
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撮影/目黒智子
構成・文/幸山梨奈