ミモレで過去に公開された記事のうち、特にこの時季に人気があったものをご紹介します。よろしければぜひご一読ください。

縁起物のおせち料理には「少しでも手作りのものを加えたい」と思っていても、気が付けば今年もあと何日……。いつもそんな思いで年末を迎えていた人も多かったかと思います。けれど、今年の年末はステイホームになりそう。そんな時こそ、おせち料理に挑戦してみてはいかがでしょう? 

おせちは時間をかけて作る料理が多いですが、難しいことは何もありません。黒豆は材料も作り方もシンプルですが、ていねいに煮ることでおいしい煮豆になります。ポイントはとにかく煮汁から豆の頭が出ないように、静かに静かに煮ること。それだけでピカピカの黒豆が完成します。黒豆には「まめに働く」という意味もありますが、そもそも”まめ”とは丈夫で健康であること。元気に働けますように、という願いを込めていただきます。

「一つでもいい、自分の食べたいものをつくってみてください。無理はせず、毎年作れそうなものを増やしていってもらえれば」とは料理家の本田明子さん。著書『娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう』から黒豆のレシピをご紹介します。

 


マメに見守りながら黒豆作り

 

豆が煮汁から頭を出さないように水加減を保って。

 材料(作りやすい分量)


黒豆……カップ1
A|湯(約60℃)……カップ3~4
 |三温糖またはざらめ……100~150g
 |重曹……小さじ1/4
B|塩……小さじ1/4
 |しょうゆ……小さじ1/4

 作り方 

1.ボウルに黒豆を入れ、たっぷりの水で洗う。

2.鍋にAを入れて混ぜ、三温糖が溶けたら1.の黒豆を入れて一晩おく(写真イ)。

 

3.2.の鍋にBを加えて中火にかけ、ふつふつしてきたらあくを除き(写真ロ)差し水カップ1/2を加えて(写真ハ)ごく弱火で豆が柔らかくなるまで煮る。続けて煮るよりも1~2時間ずつ何度も火を入れて合計4~6時間、煮るほうがおいしくできる。煮汁が常に豆にかぶっている状態にするため、差し水は何度でも。

 
 

4.火を止めてそのまま冷ます。

『娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう』シリーズ(全3回)
第1回 一度は挑戦したい「黒豆」を美しく煮るコツ【ステイホームで手作りおせち】
第2回 ミキサーで簡単「伊達巻き」の作り方【ステイホームで手作りおせち】
第3回 【ステイホームで手作りおせち】普段のおかずにもぴったり「八幡巻き」の作り方
 

『娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう』
著者 本田 明子

近頃では、なかなか母から娘へ伝えられることもなくなってしまった「三段重の正統派おせち」を、「母料理」の第一人者・本田明子先生が、現代のお台所事情にあわせて改めて作りやすく解説。一度きちんとつくってみたかった「正統派のおせち料理」から、お重すら持っていないけど、お皿に盛るだけでおせち気分を味わいたいときに作る「五品おせち」、余ってしまったおせち材料で作る甘味やバリエーションレシピまで、気分で選べる、おせち料理レシピを徹底解説。ほか、冬から春の季節行事の料理もたっぷり紹介。家庭行事料理の基本をすべて使い勝手良く一冊にまとめました。

本田 明子(ほんだあきこ)

料理研究家。1962年生まれ。20歳の時に料理研究家・小林カツ代氏に弟子入り。「小林カツ代キッチンスタジオ」に25年間在籍。多数の料理本のレシピ製作責任者として腕をふるう。2007年独立。現在は「本田明子キッチンオフィス」を主宰。小林カツ代氏の親しみやすく、家庭料理として極められた味を正統に継承しつつ、大らかで明るい人柄そのままの「本田流おふくろの味」で人気。NHK「きょうの料理」などテレビ出演、雑誌・書籍など幅広く活躍中。

写真/石澤真実
この記事は2020年12月15日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。