生涯独身率が増えている中、「結婚はいいものではない」と思っている人も増えてきています。そういう人は、どんな理由で結婚に悪いイメージを抱いているのでしょうか?また、本当に結婚はいいものではないのでしょうか?
結婚はいいものではないと思う理由1:妻ばかり負担がかかるから
結婚し、子供が生まれて、共稼ぎでいる多くの家庭が、妻のほうが家事に育児に仕事に、と大忙しなことが少なくありません。夫は「自分も手伝っている」と思いがちですが、“手伝っている”という時点で、どこか「自分の仕事ではない」と思っていることが多いもの。自分だって部屋を汚すし、自分の子供でもあるにも関わらず、です。結局、部屋が荒れていたら、「“妻が”だらしがない」という評価になってしまうのです。
また、夫のほうは「自分のほうが稼いでいるから、家事、育児は妻がやるのが当然」と思っている人も少なからずいます。でも、たとえ夫のほうが給与はよくても、妻が会社員として働いている場合は、「夫のほうが妻よりも長時間働いている」なんてことはあまりなく、妻も同じように外で長い時間、働いていることも少なくないもの。つまり、働く労力と時間にそこまで差はないことも。
逆に、たとえ妻のほうが稼いでいるのだとしても、日本の妻は、「家事、育児をおろそかにしないから、外で働かせて欲しい」と夫にお願いをしているケースは少なくありません。つまり、妻が稼いでいようが、そうでないだろうが、どちらにしろ、妻が寝る時間を削って、家事、育児をすることになってしまうことも……。
そこには、現代のように生活スタイルが変わっても、未だ根強く「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という古い価値観が残っているからなんですよね。
つまり、この状況の背景にあるのは、旧価値観を根強く抱いているのかどうかという、夫婦の“価値観の不一致” が一番の原因だとも言えるのです。
だから、もしキャリアウーマン志向で、結婚しても仕事を続けたい女性は、そもそも結婚相手は、「家事、育児は妻だけでなく、夫の仕事でもある」という価値観を持つ男性と結婚したほうがいいってことなんですよね。そうしたら、妻ばかり負担がかからないことも。
一般的に、価値観の不一致によって、離婚しやすいもの。現代の働く女性は、結婚前に相手が「家事や育児は、“夫婦の仕事である”と思っている」かどうかは、チェックしましょうね。
結婚はいいものではないと思う理由2:自由を失うから
「結婚したら、自由ではなくなる」のは、男女限らず、です。夫婦は二人三脚で人生を共に歩むことになるからこそ、自分だけではなく、相手のことも考えなくてはいけなくなるし、その分、独り身だったら気軽にできたことがやりにくくなることは、色々と出てくるものです。
例えば、「今の仕事を辞めるかどうか」なんてことは、パートナーの意見を聞かないといけなくなるし、引っ越ししたいときも、相手を巻き込むことなので、好き勝手にはできません。
さらに休日は、自分勝手に1人で出かけてしまったら、パートナーに不満を抱かれることも多いでしょうし、夕飯を一緒に食べるのかどうかによってお互いのスケジュールが変わってくるので、いちいち報告と相談が必要となります。
さらに、2人が稼いだお金は、“夫婦のお金”になるので、大きな買い物をしたいときはパートナーに許可をもらわないといけないことも多いし、場合によっては反対されて買えないこともあるでしょう。
だからこそ、自分の好きに行動したい人にとっては、結婚はかなり窮屈なものになる可能性はあります。パートナーが寛容で、基本、やりたいことにOKしてくれる人であれば、まだうまくいきますが、束縛したり、理想を押し付けたりするような人の場合は、一緒に暮らすほど、どんどん自分らしさを失ってしまうことも。
だから、“やりたいことがたくさんある人”は、 パートナーが自由にさせてくれる人でないと、苦労するでしょうし、「独り身でいたほうが楽」なことも多いかもしれません。
実は、一般的にうまくいっている日本の夫婦の妻には、ある特徴があります。それは、「夫のやることに付き合える人」が多いのです。夫の趣味に付き合えたり、夫が行きたいところについていけたりする人は、夫にとっては、“自分がやりたいことをやらせてくれ、さらに自分色に染まってくれる妻”となるので、うまくいきやすいところがあるのです。
「やりたいことがたくさんある女性」と「パートナーのやることに付き合える女性」というのは、前者は自分らしさを持っていて、好奇心があるからこそ、やりたいことがたくさんあるわけですが、場合によっては協調性に欠けるところがあります。一方、後者は、自分をそこまで持っていない分、柔軟性があり、相手に合わせやすいところがあります。だから、後者のほうが「結婚向きである」と言えるところはあるのです。
それで言うと、「自由を失うから、結婚にいいイメージを持てない」と思う女性は、前者タイプの人が多く、あまり「結婚に向いていないタイプ」だとも言えます。
ただ、誤解してはいけないのは、「結婚に向いていない」というのは、「人間的に欠陥がある」ということではありません。人それぞれの性質なので、いいも悪いもありません。そもそも「自由でいたいと思うこと」が悪いわけがないですしね。
ただ、“自由好きの人”が結婚するときには、自分らしさを押さえて、自分のやりたいこともちょっと我慢して、無理をする必要があるかもしれません。だから、そんな無理をしてまで結婚する必要はあるのかどうかは、人それぞれでしょう。
結婚はいいものではないと思う理由3:恋愛できなくなるから
「結婚する」というのは、「もう他の人とは恋をしません」と誓うことでもあります。だから、恋愛をすることに重きを置いている人は、思う存分、恋愛をし尽くすまで、結婚しないほうがいいでしょう。
もしくは、はじめから“浮気を許してくれるような相手”と結婚するしかありません(※いるかどうかは、分かりませんが)。そうでなければ、パートナーを裏切る結果となり、家庭は壊れやすくなります。
結婚すると、「恋のドキドキ」から「愛の安らぎ」へと変わっていく必要が出てきます。一緒に住んでいるのに、いちいちドキドキしていたら、生活しにくくなってしまいますしね(苦笑)。
本来は、「(恋の)好き」よりも「愛すること」のほうが価値はありますが、まだ「恋のドキドキ」のほうが楽しいという人は少なからずいます。そういう人は、飽きるまで恋をするしかありません。恋をし尽くしたら、「そろそろ落ち着きたい」と思うようになるでしょう。
ただし、「恋愛をしている=女としての現役感」と思っている人は、その誤った価値観を捨てない限り、落ち着くことは難しいかもしれません。そうでないと、「恋をしていないのは、格好悪いことだ」と考えてしまいますしね。
人を愛せるようになることは、“人としての成熟”を表します。だから、本来は、「人をきちんと愛せるようになること」のほうがカッコイイことのはずなんですけどね。
恋を諦められない人は、先述の“自由好きな人”同様、結婚に向いているとは言えません。でも、その生き方が悪いわけではありません。ただ「結婚が合わない」だけです。
だから、結婚しないほうが、自分も幸せでいられるし、パートナーを傷つけずに済むでしょう。
結婚は、いいものでも、悪いものでもある
ここまで「結婚はいいものではない」だと言う人が考えていることを3つ紹介しましたが、結局のところ、その人の持つ「価値観」や「結婚の向き、不向き」が、結婚に対するイメージの良し悪しの判断につながるので、答えは人それぞれなのです。
結婚自体は、100%いいものでも、100%悪いものでもありません。また、すべての人にいいものでもなければ、すべての人に悪いものでもありません。さらに、結婚する相手によっても、随分、変わってきます。
結婚に限らず、どんなものにも、メリット、デメリットは必ずあるものなので、“デメリット以上にメリットが大きいと思う人”にとっては、いいものになりやすくなります。
「結婚をいいものではない」と思う人にとっては、「結婚が向いていないから=自分らしさを失わせるものだから」というのが大きな要因になりやすいもの。でも、それはいい意味で言えば、「1人で生きていけるだけの力があるから、そう思える」とも言えるのです。1人で生きていけない人にとっては、「パートナーがいること」自体が、大きなメリットになりますしね。
だから、自立していて、自由を愛する人は、無理をしてまで結婚する必要はありません。それでも、もし「1人の時よりも大変なことは増えるだろうけど、共に生きていきたい」と思えるほど、愛しい相手に出会えた時は、結婚したくなるものでしょうしね。
今後は、生き方が多様化され、結婚しても一緒に住まない「別居婚」というスタイルを望む人も出てきていますし、 “従来の結婚の形”にこだわる必要はなくなってきます。だから、無理して合わないことをしないで、“自分たちに合うスタイル”を見つけるようにするといいでしょう。
結婚をいいものにするのも、悪いものにするのも、自分とパートナー次第。もし結婚向きでない人が、結婚したくなったときは、「いいもの」になるように色々な工夫をしましょうね。
【漫画】結婚がいいものに思えない
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