【習慣のギモン①】食べたらすぐに歯を磨くべき?
→【答えはNO】直後でなくて大丈夫。食後30分〜1時間を目安に磨こう
歯磨きのタイミングは専門家のあいだでも意見が分かれています。基本的には食後すぐに磨いたほうがいいと言われています。なぜなら、歯磨きの目的は歯にバイオフィルムがつくのを防ぐことだからです。バイオフィルムとは、細菌が歯の表面につくるかたまり(細菌村)のこと。別名ではプラークとも呼ばれます。そのバイオフィルムは食後8時間ほどでつくられ、24時間以上経つと白血球が反応して炎症が起きます。
バイオフィルムの形成まで8時間あるので、食後すぐに磨かなくても大丈夫ですが、時間が経つほどバイオフィルムのくっつきは強固になります。昼食後の歯磨きを怠ったら、朝と夜の歯磨きの間は12時間以上空くことになります。そうならないためにも、毎食後の歯磨きが、むし歯予防には大切なのです。
ただし、食生活などが原因で歯のエナメル質が溶け出す「酸蝕歯(さんしょくし)」になっている場合は、食後すぐに歯磨きをすると歯がすり減ってしまうという報告があるので、食後30分〜1時間経ってからの歯磨きがいいとされています。
【習慣のギモン②】睡眠中の歯ぎしり対策にマウスピースを利用している
→【答えはNO】マウスピースは歯へのダメージ予防。歯ぎしり治療用ではない
むし歯や歯周病など歯科医でチェックしても歯のトラブルがないのに歯が痛んだり、朝起きたときにあごが疲れていたりする場合は、寝ている間の歯ぎしりや歯の食いしばりが疑われます。予防のためにマウスピースを装着している人がいますが、マウスピースをしても歯ぎしりはなくなりません。
マウスピースは1本の歯にかかる負担を軽くして、歯のすり減りを予防するためのものです。歯ぎしりそのものを予防するわけではないので、根本的な解決にはなりません。寝ている間の歯ぎしりや歯の食いしばりは、歯のすり減りや変形、顎関節症(あごや頭の痛み、口を開けにくいなど)の要因となるので、根本的な解決が望ましいことはいうまでもありません。
また、マウスピースの長期間の使用は、筋紡錘(きんぼうすい)というあごの筋肉内にある、筋肉の長さを察知するセンサーを狂わせてしまうことがあります。
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