馬上のマインドフルネス


相手は生き物ですから「1、2、1、2」と機械的にカウントするのではなく、馬の動きをダイレクトに感じ、自然に呼吸をあわせようとします。

有酸素運動ではあるものの、それほど息はあがらず、馬に集中しているので、たとえばランニングのような辛さは全く感じません。背筋を伸ばしたまま体全体に意識を行き渡らせていると、「今ここ」に集中でき、なんともいえない没入感があります。

初めのうちは、馬が歩いている状態から軽速歩へ移行するのも、軽速歩を止まらずに続けることもなかなか大変。

レッスン中は、インストラクターが姿勢や指示の出し方について声かけをしてくれますが、それを聞いて「あ、できてない......」と凹んだり、うまくできそうになったときに気を緩めたりすると、馬はてきめんにそれを感じとり、指示が伝わらなくなってしまいます。

一方で、頭の中の雑念が静かになり、軽快に進むことができたその瞬間には、深い満足感を得られます。

そして終わった後にすっきりした感じが残り、それは、ヨガや瞑想をしたときの憑き物が落ちたような感覚によく似ています。

ミモレ世代から始める乗馬のススメ~観る楽しみ、乗る楽しみ~_img0
写真/Unsplash

乗馬はマインドフルな体験で、日々の雑事から心を解放し、リフレッシュさせてくれます。

馬に癒され、日常の疲れをリセットでき、ついでにダイエットにもなる乗馬に、ちょっと興味が湧いてきたでしょうか?

 


3. ゴルフよりもお手軽に、新しい人生の楽しみを


ーーそれでもコストや時間が気になる?

多くの乗馬クラブは、入会金、月会費(または年会費)と、乗るごとの騎乗料がかかる料金体系になっています。東京近郊のクラブをいくつか調べてみたところ、入会金10〜20万円、月会費1~2万円、一回ごとの騎乗料1500~4000円(平日・土日祝で異なる)といった感じです。

富裕層のスポーツというほどの金額ではないですが、スポーツジムやヨガに比べれば少しお高いでしょうか。

また都心から1〜2時間ほどかかる場所にあることが多く、これも忙しい人にとってはマイナス要素かもしれません。

でも、だから乗馬はいいんです、とあえて言いたい。
 

馬に乗るか、乗らないか。それが問題だ


わたしもこれまで、近所でランニングをしたり、ジムやヨガに通ったりしてきました。でもそれって体調管理のために手軽だからで、実は心から楽しんでいたわけでもなかった。

乗馬は違います。楽しいし、次に行くのが楽しみでワクワクする。

休みの日に郊外まで乗馬に出かけると一日がかりなので、自然と日常から距離を取れます。リフレッシュした余韻とまた馬に会いたい気持ちに支えられ、乗らない日も生活に張りが出てきます。

今まで平気で食べてた馬刺しが、食べられなくなります(笑)。

旅行に行くときは、近くで乗馬ができないか探してしまいます。馬の背からゆったりと眺めると、風光明媚な眺めがいっそう印象深く感じられるのはなぜでしょう?

旅先でのホーストレッキングは、普段乗馬をしない人でもできるので、家族や友人と一緒に楽しめるし、与那国馬や道産子といった在来馬を見るのを旅の目的にすることも。旅の楽しみが広がります。

ミモレ世代から始める乗馬のススメ~観る楽しみ、乗る楽しみ~_img1
 

これは沖縄に行ったときの写真。夏場は、馬と一緒に海に入って遊ぶこともできちゃいます♫

そして乗馬を始めると、馬が好きで好きでたまらない人や、馬を一生の仕事にしてしまった人たちに出会えます。

何が言いたいかというと、乗馬を好きになったら、見えている世界が変わるのです。

手軽だから、近場でサクッとできるから、運動した方がいいから……そういった「ちょうどいい」趣味にはない良さが、ここにはありました。

色々と興味を持つけれど、好きという気持ちを持続できなかったわたしには、それはとても大事なこと。

時間の制約もあり、いつでも行けるわけではないですが、細くとも長く続けたいと思っています。
 

まずは体験乗馬から

 

はじめに書いたように、わたし自身は体験後も乗馬を続けるとは思っていませんでした。公私ともに慌ただしいライフスタイルなので、時間が取れる気がしなかったからです。

それでも未練が捨てられず、乗馬クラブのサイトを巡っていたとき目に入ったのが、「乗馬ライセンス5級、2日で取得」の文字。

乗馬にはライセンス制度があります。公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会が認定している「乗馬ライセンス」という資格がそれで、1級~5級までの認定証を発行しています。5級は全くの未経験者でも短期間で(クラブにより、2〜5日程度)取れる資格で、乗馬の基本を学ぶことができます。

乗馬ライセンスについて詳しく知りたい方はこちら>>

2日で取得できるなら、とりあえず5級だけでも取っておこうかと思い、「筑波スカイラインスティーブル」という乗馬クラブに問合せたのが、ご縁の始まり。

アットホームな雰囲気の中、初心者から上級者、キッズからシニア世代まで、それぞれのレベルにあった熱心な指導をしてくれます。熱意あふれる先生たちと、案外続けやすい雰囲気のおかげで、わたしでも乗馬ライフを始めることができました。

こちらのクラブでも、それ以外でも、ほとんどの乗馬クラブで体験乗馬を受け入れています。必要な道具はレンタルできるので、運動しやすい格好だけしていけば、手ぶらで大丈夫。

乗馬業界も裾野を広げようとしており、何の予備知識なく行ってもフレンドリーに馬の魅力を語ってくれるはず。

馬のある人生に少しでも興味を持っていただけた方、ぜひ次の休みにでも気軽に乗馬クラブを訪ねてみてください!

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Satokotoraさん

海や水辺と活字が好きです。国際結婚の別居婚、子供たちも含めて日本-海外の多拠点家族生活中。
はまっているのは最近息子と始めた乗馬。ワークアウトと断捨離が癒し。
ファッションも社会問題も、世の中の今の空気に関心あります。働く場所にとらわれない軽やかな生活を模索しています。


第4期生のご入会は、12月25日から!ただいま事前登録受付中です。

 
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