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りゃんさんからの質問
Q.
40前になって愛する人から別れを切り出され、受け入れられない

重めの質問で失礼します。愛する人から別れを切り出されている最中です。彼からの別離の理由が、何となく一緒に生きる未来を考えられなくなった、とのこと。女性の影はゼロ。私自身も働いているので、収入的な理由で別離を悩んでいるのではなく、ズバリ、彼に愛情があって別れたくないのです。それに、もうこの先、年齢的にも愛し愛せる人に出会える気がまったくしません。彼に気持ちは伝えましたが、望みは薄そう。いい大人が別れを拒んですがるのもちょっとツライものがありますよね……。

すっぱり納得して別れるしかないのかな? と最近では思いつつも……。落ち込みまくりの私に、何かアドバイスをお願いします。

尼僧 掬池 友絢さんの回答
A.
あきらめるというのは、
明らかにするにする、という意味でもあるのです

人間、執着という気持ちはどうしても抱いてしまうものですよね。これは致し方のないことです。私自身も執着を捨てることはなかなか難しく、紅葉の時期などは、ひらひらと舞い落ちる葉を見て、何事からもあのように清らかに離れていけるのが理想だな、などと想ったりしてしまうものです。

それでもりゃんさんは、彼に気持ちを伝えた結果、望みは薄そうと感じてらっしゃるとのこと。最終的にはあきらめるしかないと、心のどこかで別れを受け入れ始めておられるのですよね。

そこで一つお伝えしたいのですが、”あきらめる”という言葉には、”明らかにする”という意味もあるということです。あきらめる行為というのは、決してマイナスの意味ではなくて、次に進むために現状をきちんと見つめ直す作業でもあるのですよ。

りゃんさんは今、別れを切り出されたことによって、自分への自信を少し失くしてしまっている時期でもあるのかもしれません。それで、「自分に何か悪いところがあったのではないか。だからもうこの先、愛されることもないかもしれない」と苦しんでらっしゃるのだと思います。ですからもう少し時間が経ちましたら、自分への自信もきっと取り戻されることと思います。

ただ、自分を責めたりしすぎるのでなければ、反省することもまた、大切なことかもしれません。それによって、自分自身を見つめ直し、人の気持ちに今まで以上に寄り添うことができるようになると思いますから......。

私自身も日頃から、自分を顧みる作業というのはとても大切にしています。でも毎日の生活に追われていますと、なかなかその作業をおこなおうというきっかけがなく、つい忘れてしまうものです。そう考えますと、りゃんさんは今、その良い時期にいらっしゃるのかもしれません。苦しいとは思いますが、目を逸らされず自分をしっかり見つめ直し、そこから次の一歩を踏み出していただけたらと思っております。応援しています!

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掬池友絢さんの回答、ぜひご参考になさってください。 

PROFILE
  • 掬池 友絢さん1975年生まれ。浄土宗僧侶。ILAB(国際仏教婦人会)役員。静岡県三島市にある蓮馨寺に所属。会社員として働く一方で、仏教の良さを伝え広めるべく様々な活動に取り組んでいる。蓮馨寺で「お念仏の会」や「お寺BBQ」といったコミュニティ活動をおこなう他、月に1回、寺子屋ブッダの「友絢さんとお茶を飲む会」で女性向けお話し会の講師も務めている。著書に『泣きたいときには泣いていい』(講談社)がある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る