作業内容によって「プチ模様替え」して効率アップ
本格的に在宅勤務を導入している人だと、自宅で7時間程度(長い人だと12時間)ずっと集中し続けることになります。
オフィス勤務の場合は、デスク・会議室・休憩スペースなど、複数のワーキングスペースを使い分けることで気分転換できますが、自宅だとそうはいきません。
誰からも話しかけられることもないし、目に入ってくる景色も基本的に一緒。オフイスと同じように集中したり、気分転換するにも限界があります。
自宅でもメリハリをつけて作業するためには、「変化」が必要です。そこで、小さな「模様替え」をしてはどうでしょうか?
たとえば、私の場合、作業内容に応じて次のように環境を変えています。
①事務作業をするとき
経理処理や何かを書き写すなど集中して作業をしたいときは、視界に入るモノをゼロにすること。 机の上のモノは限りなく排除し、椅子の周りの床も片づけて、自由に椅子を動かせるスペースを確保しましょう。机の上がゼロのこの状態を「デフォルト」にしておくことが重要です。
②クリエイティブな作業をするとき
企画書作成や新規アイディアのブレストといったアウトプット作業のときは、意図的にモノを置いて散らかします。関連する本や、リラックスグッズ・人形など「適度な異物」を視界に入れて、発想を活性化させましょう。
ミネソタ大学のキャスリーン・ヴォース教授も、「散らかったデスクこそが創造力を搔き立てる」という研究結果を発表しています。
集中力と創造力は、相反する部分があります。1つのことに集中することで作業効率は上がりますが、複数のことに漫然と思いを巡らせているときのほうが、じつは新しいヒラメキが生まれやすいのです。
ポイントは、散らかりが「恣意的(意図的)」であることです。
③オンライン会議のとき
Zoomなどのオンライン会議の際に、背後に部屋が映ってしまう構図だと、生活が丸見えで落ち着きません。Zoomにはバーチャル背景もありますが、ほかの会議システムでは背景を設定できなかったり、フォーマルな面談では背景を使いづらかったりもしますよね。
デスクのすぐ横に壁や窓がある方はPCを90度動かしてみましょう。こうすると壁+インテリア用品数点だけが画面に映り、プライバシーが守られて快適です。
東大生の8割以上が、リビング学習をしている
『東大脳の育て方』(主婦の友社)によると、東大生のじつに83%がリビング学習をしています。これは驚きの数字です。監修者で脳科学者の瀧靖之氏は「リビング学習には、勉強とそれ以外の境界をなくし、生活の一部のようにする効果がある」と述べています。
リビングでも、ダイニングでも、関係ありません。習慣化させることが大切なのです。
「家が狭い」「自分の部屋がない」と言って、自宅での仕事や勉強から逃げていませんか? 結果を出している人は環境を言い訳にしません。今日から環境のせいにするのをやめましょう。
著者プロフィール
米田まりなさん:整理収納アドバイザー。2014年に東京大学経済学部卒業後、住友商事に入社し、Eコマース領域の事業投資を担当する。2018年より株式会社サマリーに出向、資金調達とデータ解析を主に担当している。2020年4月から一橋大学修士課程(金融財務専攻)在学中。整理収納アドバイザー1級。脚本家の祖父・研究者の父の影響を受け、茨城県・宮城県でモノに囲まれた幼少期を過ごす。都市・地方の住宅状況格差に関する自身の経験や、100万人の“モノデータ”を扱う株式会社サマリーで行なってきた消費者調査結果を元に、「捨てないお片づけ」を提唱。作家・デザイナー・起業家など、“モノを愛してやまない人”を対象に、片づけのコンサルティングを行なっている。
【Twitter】@komedamarina
【note】note.com/m_komeda
『集中できないのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片づけメソッド37』
著者:米田まりな PHP研究所 1500円(税別)
部屋がきれいになるだけじゃない!「自宅作業の集中力を高める」ための部屋の片付け術を、東大卒の整理収納アドバイザーが伝授。在宅ワークがあたりまえになりつつ今、オフにもオンにもなれる部屋づくりのコツを、エビデンスに基づいて効率よく教えてくれます。家でのワークスペースに悩みを抱える、すべての方におすすめする一冊です!
構成/金澤英恵
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