日本のフードロス問題に取り組む新たなチャレンジも


今回のミモレでのレシピ連載は、杉山さんも楽しみにしてくださっていることの一つとか。

 

「何年か前に感動したのが、TEDカンファレンスで行われていた“マット・カッツの30日間チャレンジ”というスピーチ。その内容は、人生に行き詰まったときに、30日間何か新しいことを続けてみたらいい。そのチャレンジは、今まで読んでいなかった新聞を1か月間読んでみるとか、ゴルフを始めてみるとか、どんなことでもいいのです。すると何かが変わりますよ、というようなものでした。それで私はこう思いました。人生は分度器のようなもの。初めのうちは人生を大きく変えることは難しいけれど、分度器のように1ミリ変えただけでも先が大きく広がっていく。つまり、小さなチェンジをすれば先には大きな変化が待っているかもしれない、と。それ以来、私は毎年何か一つは新しいことにチャレンジしようと決めていますが、マリクレールの連載、Oisixのミールキットに続いて、今年はミモレの連載が新たなチャレンジの一つとなりました。

また去年の10月に、日本ガストロノミー学会の会長を務める友人と、FOOD LOSS BANKという会社を立ち上げたんですよ。というのも、いま日本は先進国の中でもフードロスが非常に多い国だといわれていて、私たちにできる小さなことから改善していきたいから、今さまざまな取り組みを始めているところです。いずれヴィーガンレシピにもそんなフードロス食材を取り入れて、そういった情報も発信していけたらいいなと思っています。ぜひ楽しみにしていてください。

ジョン・レノン一家との出会いが原点。料理家が「週1ヴィーガン」に目覚めた理由_img0
今年の6月の世界環境デーに合わせて、Oisixでフードロス食品を使ったヴィーガンキットを発売したいと目論見中。「食とファッションをつなげるようなプロジェクトもやっていきたい」と語る杉山さんの挑戦はまだまだ始まったばかりです。
撮影/Bob Fisher(杉山さん)
取材・文/河野真理子