先日、バイデン米大統領の就任式に出席したファーストレディやセレブたちのファッションをご紹介しましたが、実は就任式のベストドレッサーは、国歌独唱を披露したレディ・ガガでも、新たなファーストレディのジル・バイデンでもなく、バーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員だとネットニュースで話題に。

大統領就任式の「サンダースおじさん」がグッズで200万ドル売り上げる社会現象に!_img0
写真:Splash/アフロ


サンダース議員は、来賓たちがめかしこんだ正装で参列する中、ひとりだけ地元バーモント州のスノボブランド「バートン」のマウンテンパーカに手編みのミトンという、普段着感溢れる出で立ちで登場。しかもなぜか手には郵便物の茶封筒を持っていたことから、SNS上では「郵便局に来たおじいちゃん」とコメントされ、ツイッターは大喜利状態に。中でも、就任式中にソーシャルディスタンスでひとりポツンと座っている画像は、「ミーム(面白画像ネタ)」としてバズりまくり。皆が映画のワンシーンやモード誌の写真などに彼の画像をコラージュして投稿するお祭り状態になっているのですが、このブームにサラ・ジェシカ・パーカーやジェニファー・アニストン、デミ・ムーアらも参戦。それぞれの代表作の映画やドラマの劇中写真にサンダース議員をコラージュした画像をインスタグラムに投稿して盛り上がっています。これが全部面白い(笑)。思わず「ふふ」っとなって元気をもらえるので、私は仕事の合間にネットで検索しては、サンダースおじさんに元気をもらっています。

デミ・ムーアの投稿。「ゴースト」のあの有名なろくろを回すシーンのデミの背後に、サンダースおじさん(笑)。

SATCのメンバーの中に、サマンサの代わりにサンダース議員が! これを投稿したのはサラ・ジェシカ・パーカーですが、制作決定したSATCの続編ドラマをサマンサ役のキム・キャトラルが出ない当てつけの匂わせ投稿にも感じて、ちょっぴり怖い……。やはりキムとの不仲報道はほんとなのかしら。

元ネタ画像はこちら。この画像、何かに似てませんか? そう、ネット民に愛される、あのキアヌ・リーブスの「ぼっち画像」のような、哀愁を漂わせているのです(笑)。これって、インスタグラムではキラキラな世界がウケるけれど、ツイッターでは、より共感や親近感を持てるタイプが人気者になるということを如実に表しているような気が。

本家(?)のキアヌとコラボさせたコラージュ画像も登場。このふたりが並んでいても違和感ない(笑)。


これに目をつけたサンダース議員の陣営は、翌日にはこのサンダース上院議員の写真をプリントしたTシャツやスウェットを販売。すると30分で即完売し、その後の追加商品は数週間先まで予約が殺到、なんと5日間で1億9000万円も売り上げ、その収益はすべてバーモント州の慈善団体などに寄付されるとか。

 

〝バーニー効果〟はこれに留まらず、さらに、サンダース議員がはめていたミトンの作り手がバーモント州の小学校教師、ジェン・エリスさんだということをサンダース議員が就任式翌日にテレビで明かすと、彼女の元へは「ミトンを売ってくれ」というメールが1万6000件も届いたそう。

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写真:ZUMA Press/アフロ

このミトンは2016年にサンダース議員が民主党予備選でヒラリー・クリントンに敗北したときに彼を元気づけるために贈ったもので、ウールのセーターを再利用し、裏地にはペットボトルを再利用したフリースを使用した、環境に優しいサステナブル商品。ジェンの「手袋に注目してくれてありがとう。残念ながらこの手袋はもう販売していないんです」というツイートには、20万4000件の「いいね」がつきました。

その後ジェンが似た手袋を作ってネットオークションに出品するとおよそ20万円で落札され、1月30日には再びジェンがツイッターで、バーモント州の製品業者と提携してミトンを大量生産できることが決まったと報告。個人的には、このジェンさんの耳がすごい福耳だったので、「この人はきっと今後このミトンでひと財産築いてアメリカン・ドリームを叶えるんじゃないか」という気がいたしました。

これだけではなく、この降って湧いたようなサンダース・バブルに便乗し、サンダース議員の手編みの編みぐるみを作って売り出す人も。この作者、サンダース議員の支持者であるトビー・キングは、e-bayで編みぐるみを出品したところ、200万円以上の値で落札され、さらに編みぐるみの作り方マニュアルをネットで6ドル(約630円)で売り出すと、3万5000回ダウンロードされて収益は2100万円以上に。

ミトンも編みぐるみも、売り上げはすべてバーモント州の慈善団体やLGBT団体の支援のために寄付されたそうで、関わっている人たち全員の心の美しさを感じる、いい話!

この一連の騒ぎに関してサンダース氏は「この1週間で多くの人々が示してくれた様々な創造性には、妻のジェーンともども驚かされました。私のインターネット上での名声を、サポートを必要としているバーモント州の人々のために役立てられて嬉しいです」とコメントしていて、これまたいい人そう(笑)。

ちなみに、就任式の際の服装についてはCBSのニュース番組に出演した際に、「バーモント州ではおしゃれかどうかより、暖かい服装を求めるのです」と語っていました。そんな素朴で実直そうな人柄も、彼が人気を集めている一因なのかもしれませんね。


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