ナプキンがいらない「生理パンツ」をはじめ、女性特有の身体の悩みをテクノロジーによって解決する“フェムテック”が注目を集めています。それと同時に、これまでタブー視されてきた“女性の性的快楽”に向き合う様々なプロダクトも世界中から発信され始め、性の健康を表す“セクシャルウェルネス”という言葉も徐々に浸透してきました。女性たちも、性の快楽を得ることを、当たり前のように受け入れられるーーそんな世の中に、今まさに変わり始めています。
牛山幸さんの著書『ナカイキしたい二人のためのロジカルセックス』も、まさに女性のウェルネスを応援してくれる一冊。“カップルで読む”ことを推奨する本書は、男性への女性理解を促しつつ、女性が“オーガズム”を得るまでの具体的な行程を教えてくれます。そこで今回は、そもそもなぜ“イケないセックス”が生まれるのか、そして幸福感で満たされるセックスに必要な最低条件とは何か、本書から一部抜粋してお届けします!

 

私は婚活アドバイザーとして、今までに2000人以上の女性の恋愛の悩みに寄り添ってきた中で、性についての悩みも多く聞いてきました。その中で最も多かったものが、パートナーとのセックスでオーガズムに達することができない、という悩みでした。一方で、パートナーとのセックスに満足していると語る女性は、毎回ではないにしてもオーガズムに達することができるし、セックスで《大きな幸せ》を感じています。

 

日本国内のカップルや夫婦はそれぞれがそれなりにセックスしているはずです。それなのに、どうしてセックスでオーガズムに達することができない女性が多いのでしょうか?

私がこれまでカウンセリングをしてきた中には、海外の女性も含まれています。カウンセリングで私は必ずその女性の「性生活満足度」を分析するのですが、日本人のセックスの回数が世界的に見て極めて少ないということを痛感しています。回数が少ないだけでなく、性生活に関する満足度も低い。経済でも弱り気味な日本ですが、悲しいことに世界的に見ても日本はセックス負け組だと言わざるを得ません。

私の経験ではセックスレスの女性は、「パートナーとのセックスに不満」と考える比率が6割弱と高く、男性の不満度は2割ほど。女性の方の不満度が大きく上回っています。その理由として、セックスに関する自分の欲求をパートナーに伝えられている女性が少ないのです。

セックスでオーガズムに達することが出来ないということを、パートナーと話し合ったことがあるという女性はひとりもいませんでした。その理由として相手に申し訳ない、雰囲気を壊したくない、とオーガズムに達した演技をしているという女性もいたくらいです。

最近の研究で、オーガズムは脳のパーツにも影響を及ぼすことが分かってきています。そして、ストレス耐性に関わる脳の器官・扁桃体の働きをシャットアウトしてくれることで、不安感や痛み、うつ症状などが和らぐこともあるようです。

つまり女性にとってオーガズムは心と身体のメンテナンスになるもの。そう考えると、セックスでオーガズムに達することができる女性の方が、より幸せを感じる傾向にあることは納得できますね。