日本人は睡眠の話が大好きです。睡眠特集としてテレビ番組や雑誌、Web記事などで、どの季節でも世代を問わず取り上げられています。

一方、海外の学校や職場で行われている「睡眠教育」は、日本にはあまり浸透しておらず、日本人の多くは睡眠の基礎知識や上手に睡眠をとる方法を学ぶ機会がありません。また健康のためには「早寝・早起き、毎日同じ時間に摂る栄養バランスのとれた食事、定期的な運動、残業のない職場」が理想的、という認識はあっても、残念ながら、忙しい日々を過ごす多くの人にとっては現実的ではありません。

そしてひとたび睡眠が不調になると、病院に駆け込み、睡眠薬で解決しようと試みます。睡眠薬は短期的にはとても役立ちますが、質のよい睡眠をいかにして自力で取り戻すのか、といったことを考えないまま飲みつづけることで、いつしか薬が手放せない状態に陥ってしまうケースもみられます。

では、若いうちから睡眠教育を受け、理想的な生活習慣を身に付けていなければ良質な睡眠は手に入らないのか?といったら、もちろんそんなことはありません。話題の新刊『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』から、明日からできる「朝1杯の味噌汁」習慣をご紹介します。

 


朝食には温かい食べものがおすすめ


人間には、中枢と末梢の2つの体内時計があります。末梢の体内時計は朝ごはんがスイッチです。時間栄養学の研究では、朝、昼、夜の食事のうち、朝食だけが体内時計の変化に影響を与えることができるということも分かっています。朝ごはんを食べると腸と肝臓に刺激が入り、身体が「朝だ!」と認識するのです。