子供の頃から料理が大好きなアクセサリー作家・山本亜由美が、日々アトリエにこもって、知らない味や大好きな味の再現にトライする「食いしん坊レシピ」がスタート! 
あるときは1人で。スタッフや友人がいるときは2人で。
簡単で美味しくて、素材の組み合わせも楽しくて。
足したり引いたりが手軽にできるご飯をご紹介しようと思います。

子供の頃食べていた春巻きといえば、細長く切った豚肉やもやしを炒め片栗粉でとろみをつけた餡の入ったものが定番でした。
中学生の時に見たテレビ番組、「料理バンザイ」という番組の中で鶏ささみをそぎ切りにし、醤油とお酒に漬けておき長ネギも斜めに薄切りしたものと合わせ春巻きにする、というメニューがありました。
母にお願いしてこれが食べたいと作ってもらったのですが、その時私の中に春巻き革命が起こりました。

 

以来、我が家では春巻きは簡単な料理となり、小腹が空いたらすぐ揚げれるスナックとなり、20代によく作った春巻きは「まいたけとハムとチーズとプチトマト」に醤油、「モッツアレラとバジルとトマト」に醤油、「長芋とセロリと鶏肉」をカレー塩、など名作が生まれたものでした。

 


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第二次春巻き革命が起こったのは30代、「敦煌」という中華屋さんでエビだけが入った春巻きを食べた時です。
みっちり詰まったエビ。エビしか入っていない春巻きに感動し、以来エビだけ、しいたけだけ、ナスだけ、など1種類の具材に絞った「だけ春巻き」が自分の定番となりました。
その中でも一番のお気に入り、空豆だけの春巻きをご紹介します。

空豆の春巻き


材料(作りやすい量)

・春巻きの皮 (14×14の小さいサイズをお勧めします)
・空豆 適量(1つの春巻きに5から6粒入っています)
・塩 
・揚油

・食べるときは塩や山椒塩で 

作り方
1 空豆をさやから出し、茹でで皮を剥く。

 

2 ビニール袋に1の豆とひとつまみの塩を入れ、麺棒などで叩き、荒く潰す。

 

3 春巻きの皮の端にそら豆をぎゅっと押しつけ、できるだけスキマのないように巻く。

 

 

 

4 フライパンに高さ1センチほど油を入れ、両面の皮がきつね色になるまで揚げたら出来上がり

*豆がうまくまとまらない時は少しだけ水分を足してください
*塩や山椒塩などをつけながらお召し上がりください

春巻きは一袋10枚入りが定番ですが、ぴったり作れなかったときはワクワクと冷蔵庫の残り物をいろいろ巻いています。ベビーチーズを巻いてみたり、干し柿を巻いてみたり、新たな味の発見がとても楽しいのです。
今回レシピは空豆の春巻きですが、並んでお気に入りのエビ春巻きの簡単な作り方もご紹介します。
下処理をしたエビの水分をよく拭き取ったら荒く叩き、長ネギのみじん切り少々、塩、酒、太白ごま油、片栗粉を混ぜて具にします。こちらも隙間ないように巻きしっかり揚げます。塩味は強めにつけて酢やゆず果汁でいただきます。

その後私の中では第3次春巻き革命まで起こるのですが、新しい味を知っても過去を否定するわけではありません。私の中の基本の味、とろみのある醤油味もいまだに大好きです。とくに、筑紫楼というフカヒレ専門中華料理店の春巻きもオススメです。

皮の半分で水分が出ないように具をしっかりと包み、残りの皮はふんわりと空気を孕んで巻いてあるため、皮のカリカリした美味しさ、トロリとした優しい醤油味の餡を存分に味わえます。
たっぷりの油じゃないとこうはならないんだろうなぁ。お店で食べる春巻きもやっぱり良いものだなぁと感じさせてくれる一品です。
ちなみにこちらに行かれることがありましたら、杏仁豆腐もぜひ召し上がってくださいね。

撮影・文/山本亜由美 構成/藤本容子

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