時代の変革期を見つめる、二人のウェブ小説家が開いた新境地


思えば、安本さんと山本さんが東京カレンダーWEBでとりあげてきたのは、「土の時代のしがらみの中で傷つきもがく女性たちの姿」。男性優位な社会構造、結婚や出産に焦らされる風潮、生活エリアのローカルルールに縛られる息苦しさ等々。


「ほら。前に美穂が話してくれたじゃない、風の時代の話。これからは周囲の評判やしがらみを捨てて自分軸で選択できる人が輝くって。美穂は偽物の幸せを手放す覚悟を決めて、自分の人生を歩き出した。それが表情に出てるのよ」
(mi-mollet「40歳から輝く女と老けこむ女の差...明暗を分ける「手放す覚悟」とは」より引用)

 


土の時代の価値観・ライフスタイルを知り尽くした二人が、風の時代のコンセプトを体現するようなメディアで、「土から風にパラダイムシフトする女性たち」を描いていく。なるほど、そういうことか!

 


「時代が変わった」といきなり言われても、私たちは自分の生き方をなかなか変えられない。「土の時代」に適応しようと、必死にサバイブしてきた自分を否定したくないという頑なで臆病な思いもあります。

安本さんと山本さんは、土と風、どちらの時代の価値観も理解する「時代の架け橋」のような立場で、思い悩む私たちにエールを送ってくれているのではないでしょうか。


この軽やかで力強い物語は、お二人自身がパラダイムシフトを果たした新境地。そして同時に、私たちにとっても、人生の新境地を切り開くトリガーになる予感がします。
 

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文/梅津 奏