ミモレ読者の皆さま、こんにちは。
今日は『海外で暮らす女性の生き方』インタビューの第二弾!イタリア政府公認フィレンツェ観光ガイドの松井純子さんです。
学生時代のサークル“イタリア研究会“の先輩です。90年代前半、ティラミスが大流行し、イタ飯という言葉が出て来るなど、世はイタリアブーム到来!文化系サークルではありますが、夏の1週間の合宿では夜中12時から合格するまで終われないという恐怖の語学。朝からはグループ毎で競わされる語学テスト。テスト結果は連帯責任、まるで5人組!語学、研究、その他諸々、かなり本気!ある意味、体育会系なサークルでした。顧問の教授は最近ではテレビにも出演する西洋古代史の専門家です。
学生時代の経験をきっかけにイタリアで暮らし四半世紀。イタリアからの視点を通してミモレ世代の女性の生きるヒントを探っていきます。
ーーーイタリアへ行ったきっかけをお聞かせください。
学生時代にイタリア文化会館でイタリア人修復家の講演を聞いたのがきっかけです。ローマのミケランジェロの「システィーナ礼拝堂の天井画」、ミラノのダビンチの「最後の晩餐」等、有名なフレスコ画があの時期に修復が終了し、その時のことを語るというものでした。もうそれは本当に感動で、胸高鳴り、講演を終えたその足で恩師の研究室へ直行し「先生、私もイタリア留学に行って来ます!!」と言いました。先生は「行ったらいいじゃんかぁ、別に」と良いとも悪いとも取れるいつもの言い方で返答してくれ、今現在まで温かく見守ってくれています。
ーーー唐突とも思えるきっかけではありますが…
そうですね。ただ、周りにはイタリア人、イタリア留学経験者、これから留学に行くぞという学生に囲まれていたので、そういう選択肢もあるんだなと思っていました。実は昔から美術に携わりたいという思いはあり、学生時代も図書館で美術書をペラペラめくっているような学生でした。

ーーー留学生活はどのようなスタートでしたか?
まずは半年間お金を貯める為に日本でアルバイトをしました。9月にボローニャ大学に留学する学生と一緒に出発。それはとても心強かったですね。修復や美術系の勉強をしたかったのでフィレンツェに近い、当時、私費留学で良いとされていた学校のひとつのシエナの外国人語学学校に通いました。90年代は多くの日本人観光客がイタリアに来ていて、勉強しながらで構わないからとお願いされて、観光業の仕事を始めたのが訪伊して1年目でした。早27年経ちました。
ボランティア活動が活発!!
ーーーイタリア暮らしのいいところはどんなところでしょうか?また困るところは?
イタリアの社会全体が、家族や子供のニーズを優先するのが当たり前という考え方。人間軸の社会なのは、私にとって生きやすく感じます。基本的にカトリックの国なので、人としてもボランティア精神に溢れている人が多く活動も盛ん。宗教的、歴史的メンタリティが社会にいい意味で反映されている部分も多いと感じます。困るのは専門分野がすごく細分化されていること。日本のように丸っと簡単に済まない。一つのことを済ますのに、ものすごくエネルギーを要します。
イタリア人男性は忍耐力がある!?
ーーーイタリア人男性や家族の特徴的な点はありますか?
イタリア人男性は忍耐力があり優しいですね。意外に我慢強いです。こどもに対しても諭しはするけど、叱らない。僕はこう思うという反論も聞く。態度が悪くて間違っていても、教え諭すことはあっても、見守っている感じ。その子が納得するまで付き合います。たぶん自分が焦らされて育ってないからかな。日本ほど急かさないですね。家庭、周囲、学校で愛されて育っているイタリア人は、人やモノを大切にする。愛すること愛されることがとても上手です。学校でもキス&ハグは当たり前ですし。イタリア人は家庭を大事にするし、子どもとも良く遊ぶ。ただ、度が過ぎてマザコン率も高いですけどね!

イタリアの子どもの夏休みは長過ぎる!!
ーーーイタリアの子育て事情を教えてください。
もうね、夏休みがとにかく長い!!6月第2週目から始まり、9月中旬まで。約3ヶ月。ひとクラスは24人程度で蜂の巣を突く大騒ぎ!書くよりも、発言する授業が多く、高校生以降は入学試験があまりない代わりに、勉強しないと落第します。
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