斎藤式・男子シングルのプレイバックリスト!
しばらく海外選手の演技を観る機会がなかったせいか、今回は、そうしたベテラン&おなじみ選手の姿、演技を、“そうそう、これ、これ”と、久しぶりに味わえることがしみじみうれしく感じられた大会でした。特に男子シングル。
①閻涵(ハン・ヤン)選手
一時、競技を離れ、復帰した中国の閻涵(ハン・ヤン)選手が、フリーでみせた3回転アクセルー3回転トゥループの、リンクをはみ出しそうな高さと幅のあるジャンプと流麗なスケーティング(ただ、もうちょっと表情をつけてくれたら、もっと良かったけれど)。
②アメリカ・ジェイソン・ブラウン選手
そして、不完全でもなんでもいい、4回転ジャンプをとりあえず着氷したアメリカ・ジェイソン・ブラウン選手の“どんだけ、体がやわらかいの!?”という唯一無二のスピンやスパイラル、バレエジャンプ(まぁ、衣裳はちょっとシンプルすぎだけど)。
③キーガン・メッシング選手
そして、スピンもスケートも、目が回るほど早いカナダのキーガン・メッシング選手の、氷に頬ずりしているといわれる超絶低いハイドロブレーディング。
④ミハイル・コリヤダ選手
フリーで『映画「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」より』を演じたロシア(今大会ではFSR=ロシア・フィギュアスポーツ連盟として参加)のミハイル・コリヤダ選手。4回転トゥループジャンプの高さと美しさもさることながら、アームス(腕)の使い方、指先、視線の持っていき方、最後のスピンまで、どこまでも美しい氷上のバレエダンサーでした。
⑤宇野昌磨選手
ジャンプ、スピン、ステップ、スケーティング、どれをとっても隙のないオールラウンダーの鍵山選手だけれど、上に挙げたようなベテラン選手の演技と比べてみれば、当たり前だけど、磨けるところはまだまだたくさん。それは、ステファン・ランビエール・コーチと初めて世界フィギュアに挑んだ宇野昌磨選手もしかり。
表彰台は逃したものの、フリー演技後に、「コーチがガッツポーズしていたから」と、控えめにガッツポーズを返し、覗かせた師弟関係の良さに、昌磨ワールドの進化への期待が膨らむ。来シーズンは、ショート、フリーともに新しいプログラムで滑るという声も聞こえているので、コーチ譲りのオリジナリティのあるスピンが入った名作プロの誕生、心から待ってます!
構成/藤本容子
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