賃貸契約件数は例年の2倍──。
これはコロナ禍で鎌倉に移住した人の賃貸契約件数の前年比です(エンジョイワークス調べ)。閉塞感漂うあの時期に移住をした人たちは、なぜ鎌倉を選んだのでしょうか。実際に住まいを移した行動力ある女性たちに話を聞きました。
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今がチャンスだ!と思って引っ越しを決意
「リモートで引っ越す人って本当にいるんだ!って周りから言われましたよ」と笑いながら話すのは、外資系転職エージェントとして働く多恵子さん。会社から徒歩10分の都内一等地に住んでいた彼女は、2020年7月に鎌倉・由比ガ浜に引っ越しました。きっかけは、やはり仕事がフルリモートワークになったこと。高い家賃を払ってまで会社の近くに住む意味がない。そう判断した多恵子さんは、「いつか海の近くに住みたい」という想いを「今がチャンスだ!」に変えて行動を起こしました。
時期尚早のラッキーだった移住タイミング
「思い立った時期が良かったとしか言えません。当時はまだ物件に余裕がある頃だったので、すぐに賃貸マンションの1室を借りられました」
フルリモートが解除されて通勤がキツくなったら、また都内に戻ればいい。そう思っていた彼女ですが、あまりに鎌倉を気に入ったため、今では週末のたびに周辺の分譲マンションを見に行っているのだとか。多恵子さん、何がそんなに良かったのでしょうか。
「やっぱり海にすぐ行けることですね。平日の朝は本当に地元の人しかいないので、朝早く海辺を散歩したり。ストレスフルな仕事をしているので、リモートワーク中にイライラしたら自転車を飛ばしてすぐに海に行きますが、それだけでも気持ちが全然違うんですよね。鎌倉には仕事しやすいカフェや個人経営の美味しいご飯屋さんも多く、さらに家から数分でハイキングにも行けるので、気晴らしできる場所が増えたという感覚です。月に数回は都内のオフィスに通っていますが、自宅からのアクセスも良くて。オフィスがある大崎と東京駅には1本で行けるため、少し遠くても乗り換えがないと時間を有意義に使えます。通勤時間が無駄にならない、というだけで価値がありますよね。都内からのアクセスがいい観光地ということで、黙っていても友人が遊びに来てくれるところもいいですね」
以前は自分から出向くことがほとんどだったという姉家族が、今や向こうから積極的に来るようになったと嬉しそうに話してくれた多恵子さん。一連の話、鎌倉在住歴4年の筆者にもよく分かります。仕事に追われていても、歩いて数分の海に夕日を見に行くだけで何かがポロリと落ちてリセットされる。小道を歩けばウグイスが鳴いていて、裏の庭ではリスに遭遇することも日常茶飯事。自然の中で暮らすことであらゆる欲が満たされるのか、都内にいた頃に比べて物欲もなくなりました。コロナで遠出ができない今、週末のたびに友人たちが遊びに来てくれるので、都内に出ずともそれはそれは充実した日々を送ることができています。
鎌倉移住した筆者が見た、美しすぎる鎌倉・湘南の数々
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