自分を押し殺すことじゃなく、
成長させることにエネルギーを注ぐ

 

誰かと違うことを恐れず、自分の価値観を素直に表明できるソニンさん。周囲に流されることなく、自分軸を見失わないための秘訣はあるのでしょうか。

「人って、生まれ育ってきた環境で、その人だけの性格や性質が成り立っているわけです。故郷、家族構成、ともに過ごした友人、食べてきた物、学校に自転車で通っていたのか、バスで通っていたのかーーどんな些細な事柄でも、その一つひとつによって価値感や性格が形成されていく。だから、誰かと比べて落ち込むこと自体がムダなことだと私は考えていて。
もちろん、社会に出て働いていると誰かと比べられることも多いですよね。個性を出そうとすると協調性がないと言われて叩かれてしまったり。会社や環境、その根本からすぐに変えていくのは難しいかもしれませんし、私だって強靭な精神力を持っているかというと、全然そんなことはありません。けれど、自分が“これは正しくないな”と思ったことは、心の中ですぐに消去しない。その気持ちはうやむやにしないで、持ち続けるようにしています」

 

今いる場所で自分を表現するため、またはフィットする居場所を見つけるためにも、自分の心の声に耳を傾けてほしいと語るソニンさん。表現者として、長年自らの個性と向き合ってきたからこそ、日本人の「謙虚さ」についてもこんな疑問を投げかけます。

「なんというか、皆さんもう少し傲慢でいいと思うんです。謙虚すぎるなって。謙虚であることイコール、“周りのために自分を押さえつけること”だと考えているのなら、それは止めたほうがいい、と私は言いたいです。
自分を押し殺したり、消耗を強いられるのが謙虚さなのだとしたら、私は到底謙虚にはなれないと思います。謙虚さは本来、自分の内面や行動に対して向けられるべきものだし、成長を手助けしてくれるもののはず。自分を驕らず、色んなことに感謝し、素直に過ちを受け入れ謝る事が出来ること。当たり前だけど、私にとって謙虚であるということは、こういう事でもあると思います」