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日英ロイヤルファション「雅子さま、キャサリン妃の色選びにみるお国柄」とは?

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<王室は華やかなブライトカラーが定番>

全身ヴィヴィッドカラーが、エリザベス女王のアイコンスタイル

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2016年5月10日、バッキンガムパレスで開催されたガーデンパーティーにご出席。写真/代表撮影/ロイター/アフロ

エリザベス女王のファッションで、思い浮かぶのは鮮やかなカラーでしょう。
お帽子とお洋服はもちろん、傘に至るまで色を合わせるのが基本。
コートの中にお召しになるドレスも、無地・柄物問わず、必ず色はリンクしており、花柄に至っては何色使用されているのかわからないほど、カラフルな色使いが印象的です。

毎回、まるで色遊びを楽しまれているかのような、鮮やかな色同士のコーディネートは、まさにカラーパレット。

中でも、英国国民も認めるエリザベス女王のアイコンカラーといえば、まさにこのピンク。
ピンクも入っているとはいえ、ドレスの花柄に使われているのはイエローやグリーンといった、通常では考えられない配色。それが見事にマッチし、「唯一無二の女王スタイル」となっています。

どんな色でも着こなされる女王ですが、実は鮮やかカラーをお召しになるのには理由があります。高身長でない女王のお姿が、公務時どこにいても国民が認識しやすいように、というお心遣いからなのです。

 


ダイアナ元妃はカラー×カラーで色を楽しんで

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1989年11月7日、香港を公式訪問。写真/AP/アフロ

カラーコーデといえば、ダイアナ元妃も女王に負けず劣らずの鮮やかさでした。
元妃のファッションで特徴的だったのは、強いカラー同士を合わせたコーディネート。
しかもお帽子や靴に至るまで、全身手抜きなく色ものを選ばれていました。

1989年に香港を公式訪問されたときにも、赤×パープルという難易度の高いバイカラーで。
お帽子にも同じカラーが使われているほか、パンプスもパープルというこだわりようです。

時代を代表するファッションアイコンと称されたダイアナ元妃らしく、まるでクチュール・コレクションのモデルさながらの着こなしでした。


公務の定番は、ブライトカラーが英国流

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2014年4月16日、シドニー、オーストラリアを公式訪問。黄色のワンピース:ロクサンダ 写真/Shutterstock/アフロ
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2018年10月9日、ロンドン、メンタル・ヘルス・サミットにご出席。ワンピース:エミリア・ウィックステッド 写真/The Mega Agency/アフロ

こちらはキャサリン妃の公務での定番的スタイルです。
訪問先に合わせて色の鮮やかさは異なりますが、基本はキレイな色、というのが女王を筆頭に英国王室のメンバーの共通点。

デザインが気に入れば色違いで購入されるほど、幅広いカラーのバリエーションがキャサリン妃のワードローブに並びます。
常夏の国ではビビッドな色、女王や王室の先輩方との公務では、控えめなパステルカラーと、TPOに合わせて色のトーンも変えられるのです。


今回、カラーチョイスという点でも、やはりそれぞれのお国柄を象徴していました。
こっくりとしたモスグリーンやボルドーといった落ち着きのある色や、シックで控えめなニュアンスカラーを選ばれるのが日本の皇后・雅子さま。

一方英国では、ハッキリとした強いカラーがメイン。エリザベス女王しかり、カラー×カラーといったいったコーディネートも稀ではありません。

両国ともに、言葉をもって語ることをしないということは共通していますが、代わりにファッションは語る。
美徳や価値観といったものが、それぞれ明確に示されているのです。

文/にしぐち瑞穂
構成/片岡千晶(編集部)

第1回「皇后・雅子さま、キャサリン妃の装いに個性とお国柄が「ロイヤルの象徴・ブルーの着こなし」」>>
第2回「【ロイヤルファッション解説】皇室、王室に愛されるパールの付け方の違いとは?」」>>
第3回「【日英ロイヤルファッション】皇后雅子さま、キャサリン妃「華麗なホワイトとゴールドの装い」」>>

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