【ロイヤルファッション解説】皇室、王室に愛されるパールの付け方の違いとは?
日本を代表する宝石といえば、パール。よって皇后・雅子さま並び皇室の方々が公私にわたり、お着けになっているのは当然ともいえるでしょう。
一方で、実は英国王室の皆様にとってもパールは定番。かつては貴族だけが所有できる貴重な宝石であり、エリザベス女王、ダイアナ元妃、キャサリン妃と、代々愛用され続けているのです。
日本の皇室と英国王室、それぞれどのようなものを選ばれ、どのように身につけていらっしゃるのかを解説します。
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①ティアラ
<日本の皇室・皇太子妃の第二ティアラ>
皇太子妃時代の皇后・雅子さまが、11年ぶりの宮中晩餐会で身につけられたのが、皇太子妃の第二ティアラです。
「日輪のティアラ」とも称され、光や希望といったポジティブな印象を感じさせる直線的なフォルムは、シャープ&ノーブル。凛としたスタイルがお得意の雅子さまにとてもよくお似合いです。
繊細なダイアモンドが施された豪華なデザインで、トップ部分には日本の象徴であるパールがグラデーションに配置されています。ダイヤモンドとパールが存在感とともに気品ある輝きを放っているのです。
<ダイアナ元妃が最も愛用され、キャサリン妃に受け継がれたティアラ>
英国ダイアナ元妃が生前愛用されていた2つのティアラのうちの一つがこちら。
1913年にガラードによって製作された「クイーン・メアリーズ・ラヴァーズ・ノット」と称されるティアラで、王室所有のコレクションです。
ダイアモンドのノット(結び目)モチーフの下で揺れる19の大粒のパールが、ロマンティックなデザイン。時代を代表するファッションアイコンとなり、スタイリッシュに変化したダイアナ元妃でしたが、最後までフェアリーテール(おとぎの国)のプリンセスを思わせるティアラがお似合いでした。
大ぶりなサイズや全体のフォルムが、日本の皇太子妃の第二ティアラと似ているところが興味深いですが、テイストは正反対。
これにも西洋と東洋の文化の違いを感じます。
キャサリン妃が公務で最も愛用されているのも、この「ラヴァーズ・ノット・ティアラ」です。
元々パールはキャサリン妃にとっての定番。伝統や安定を好まれ、女性らしさを忘れない妃にお似合いであることに加え、亡き義理の母・ダイアナ元妃の足跡をたどるといった意味も込められています。
この時に着用されているパールのピアスも、実はダイアナ元妃が生前所有されていたもの。このように、キャサリン妃にとってのジュエリーとは、エリザベス女王や義理の母・ダイアナ元妃から受け継がれていくものなのです。
そして数ある貴重な宝石の中で、キャサリン妃に最もなじむのがパールといえるでしょう。
② シンプルな三連パールネックレス
<皇后・雅子さまの計算され尽くした定番パール>
2020年、新年の一般参賀での皇后・雅子さま。控えめなシルエットながら、華やかな織りのドレスに、三連のパールネックレスが添えられています。
立ち襟にスクエアという個性のあるネックラインに、絶妙なバランスで着用されたネックレス。
プレーンなデザインだからこそ重要なのが、このサイズや長さなのですが、いうまでもなく計算され尽くしていることがわかります。
祝賀行事や晴れの場では、三連のパールネックレスとパールのイヤリングをセットで着用され、華を添えるのが皇后・雅子さまのロイヤルスタイル。一連ではなく三連を選ばれたところに、皇后・雅子さまの品格を感じます。
<エリザベス女王が公私ともに愛用されるネックレス>
英国王室からはエリザベス女王を。実は女王にとっての基本ジュエリーがパールの三連ネックレスと一粒のパールピアスなのです。
宮中晩餐会など外交の場では、ダイアモンドを中心とした煌びやかな宝飾品を着用されますが、通常の公務からプライベートまで、いつも身につけていらっしゃるのはパールなのです。
アイコニックな鮮やかカラーのお洋服やお帽子の存在感に負けず、気品と存在感を示す……これこそがパールの魅力。
ここ数年、着けられているのはほぼこのネックレス。計算されたパールの長さはもちろん、粒の大きさもグラデーションになっていて、美しく首元を飾っています。
【写真】ロイヤルの象徴カラー「ロイヤルブルー」のファッション
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1 写真/毎日新聞社/アフロ
2 写真/Splash/アフロ
3 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
4 写真/ZUMA Press/アフロ
5 写真/宮内庁提供
6 写真/Press Association/アフロ
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