なんだか分かりにくい...大手３社の格安プランって正直どうなの？【ahamo、povo、LINEMO解説】

この春、スマホの大手キャリアであるドコモ、au、ソフトバンクから、それぞれ「ahamo」、「povo」、「LINEMO」という格安プランが出ました。「乗り換えた方がいいの？」と思っている人もいるでしょう。

乗り換えるかどうかの見極め方について、『あなたと家族のスマホ代がサクッと半額以下になる本』（インプレス）などの著書があり、携帯電話・スマホのハードからソフト、トレンドまで幅広く精通しているフリーライターの正田拓也さんに、マネーコラムニスト西山美紀が伺いました。

※情報は、掲載日時点での内容です。変更がある場合がありますので、詳細は各社のHPでご確認をお願いします。

西山：この春は、大手キャリアから「ahamo」「povo」「LINEMO」という、20GBで1か月約3000円の格安プランが出ました。
スマホの料金で月7000円以上かかっている人も多いので、いよいよ「スマホの見直し時」という感じがしますね。
ちなみに、最近かなり安くなったことには、どのような背景があるのでしょうか。

正田拓也さん（以下敬称略）：現在の菅義偉総理が総務大臣の頃から、すでに「携帯電話料の４割値下げを目指す」といった報道を聞いたことがあるかもしれませんが、ここ数年、携帯電話料金の見直しが進められていました。

2019年6月ごろから、「分離プラン」が始まりました。何が“分離”なのかというと、「スマホの端末代」と「通信プランの料金」を別々に考えましょうということです。

以前は、スマートフォン端末を安売りするための原資として、通信料が高いプラン設定になっていましたが、「スマートフォンの価格は別にして、料金プラン自体を安くしましょう」という新しいルールができたのです。

その後、菅さんが総理大臣になったタイミングもあり、大手キャリアから格安プランの発表につながりました。
「ahamo」「povo」「LINEMO」いずれも、「手続きはすべてネットで」「契約データ容量は20GB」「キャリアメールや留守番電話サービスはなし」といった具合に、シンプルなプランで、サービスを極力そぎ落とした形です。

西山：世の中の情報も増えてきた今、実際にスマホを見直すタイミングかもしれませんね。今までは、スマホの料金を下げるには、「格安スマホ（格安SIM）」など、他社に乗り換えることがメインでしたが、今回の「ahamo」「povo」「LINEMO」なら、今使っている会社での変更なので、安心感があるかもしれません。

ただし、店頭窓口で手続きができず、「すべてネット」というところにハードルを感じている方も多いようです。

正田：そうですね、前回の記事で、契約プランを見直していない人は、実は2019年に出た新プランに見直すと、安くなるケースが多いことをお伝えしましたが、一度店頭窓口に行って確認して、そのついでに、例えばドコモショップなら「料金によっては、ahamoにしたいのですが」と相談してみてもいいと思います。

「このオプションサービスは使いたい」「こちらはカットしてもいい」という希望を伝えれば、同じドコモの中でのプラン変更にするか、それとも「ahamo」にするかといったことを提案してもらえるはずです。

本来、「ahamo」などの格安プランに変更するのは店頭で行えず、すべてネットでの手続きですが、他のプランに変更することも含めての相談であれば、窓口で受け付けてくれるはずです。ドコモ、au、ソフトバンクという３大キャリアの手厚いサービスは、しっかり利用しておきたいですね。

西山：店頭窓口なら、本当に些細なことでも相談できますしね。

正田：そうなんです。例えば、「ahamo」などに乗り換える場合、IDやパスワード、そしてネットワーク暗証番号も必要になることもありますが普段はあまり頻繁に使わないので、忘れている人も多いでしょう。
窓口で相談するときにあわせて聞いてみると、紙でもらうことができます。特に留守電などで使っているネットワーク暗証番号を忘れると、すぐ使うにはキャリアショップでないと再設定できないのです。

店頭窓口に行くと、「何か勧誘されるのではないか」「余計なオプションサービスをすすめられるかも」と不安になるかもしれませんが、私は上手に付き合うことが大切だと思います。もし、うっかり不要なオプションに入っても、格安プランなどに乗り換える場合は、リセットされるので問題ないでしょう。

西山：細かなサービスがないからこそ安い、ということもありますものね。
とはいえ、不要なオプションをつけて、そのまま乗り換えもせずに、ずっと契約しながら支払い続ける……ということには要注意ですね。

正田：そうですね。自分で内容をしっかりチェックすれば誰でもお得に使えますし、中身がよくわからないままずっとほったらかしにしていると損をする、というのは、スマホだけでなく、どんなことでも当てはまると思います。