この春、ドコモ、au、ソフトバンクから出た格安プラン「ahamo」「povo」「LINEMO」。
この3つは、「契約データ容量が20GB」「キャリアメールや留守番電話サービスが使えない」「申し込みはネットのみ」などとかなり似ていますが、独自のメリットや注意点はあるのでしょうか。
『あなたと家族のスマホ代がサクッと半額以下になる本』(インプレス)などの著書があり、携帯電話・スマホのハードからソフト、トレンドまで幅広く精通しているフリーライターの正田拓也さんに、マネーコラムニスト西山美紀が話を伺いました。
※情報は、掲載日時点での内容です。変更がある場合がありますので、詳細は各社のHPでご確認をお願いします。
西山:今、大手キャリアのスマホを使っている人で、「キャリアメールや留守番電話サービスなどは使わない」「20GBという大きな契約データ通信量が欲しい」「ネットで乗り換えを自分でできる」という方なら、大手キャリア3社の格安プラン「ahamo」「povo」「LINEMO」も選択肢ですね。
この3社の格安プランは非常によく似ていますが、大きな違いについて教えていただけますでしょうか。
正田拓也さん(以下敬称略):同じ20GBの契約データ容量ですが、料金設定は、「povo」と「LINEMO」が2728円、「ahamo」が2970円です。
「ahamo」がやや高いですが、1回5分間までの無料通話が含まれています。「povo」と「LINEMO」は、これがオプションで、つけるとプラス550円になり、3278円と高くなります。
ただし、「LINEMO」は、この5分間の無料通話オプションが最初の1年間は無料です。
5分間の定額通話オプションが不要なら、「povo」と「LINEMO」が一番安く、この通話オプションが必要なら、当初1年間は「LINEMO」が一番安く、2年目からは「ahamo」が一番安いですね。
西山:「5分間までの無料定額通話」のオプションが必要かどうか、ですね。では、そちら以外に3社の独自のメリットや注意点はありますか?
正田:まず、auの格安プラン「povo」は、1日ネットを使い放題というオプションが220円でつけられます。これはすごくいいと思います。
例えば、家にWiFiがなくて、「朝から晩まで海外ドラマをいっきに観たい」という場合、例えば週末だけ月に8日間使っても、1760円ほどで済むというのは最大の魅力です。
西山:他の会社では、あまり見られないオプションですね。
正田:そうですね。「データ容量が足りなくなったら、1GB500円ほどで追加できる」というのはよくありますが、それで10GB足すと、5000円ほどになってしまいます。
配信サイトによりますが、1時間ドラマを観ると、0.5~1GBほど消費するので、15本観ると、10GBくらいはすぐ使ってしまいます。
西山:仮に、ドコモやソフトバンクを使っている人が、このサービスにひかれて「povo」に乗り換えたいと思ったら、どうしたらいいでしょうか。
正田:実は、一度auに乗り換えることがおすすめですね。
もし持っている端末が、比較的最新のiPhoneだとすると、ドコモからいきなり「povo」にするためには、ドコモのサイトでSIMロック解除手続きをして(難しいならドコモショップで有料対応)、ネットで「povo」 に申し込んで、自宅にSIMカードが届いたら自分で端末にピンを刺してSIMカードを差し替えて切り替える……という作業になります。
けっこう手間がかかりますよね。
特に「SIMロック解除」は、初心者の方にとって、最大の難関だと思います。「契約している会社のIDやパスワードを覚えていない」という人も多く、そこもネックになるでしょう。
西山:どこかで心が折れてしまいそう……。
正田:はい、そうなるところですが、auの店頭窓口に行って、普通のauのプランに一度乗り換える相談をすれば、しっかり教えてくれるので安心です。
さらに、普通のauのプランから「povo」に変更するのは、ネットで申し込むだけでOKです。SIMカードの差し替えも不要で、自分が持っているiPhone端末を何かいじる必要はありません。
西山:それなら、初心者の人でも大丈夫そうですね。
正田:あとは、ついでに端末も新しく変えたいという方もいますよね。
でも「povo」や「LINEMO」では、端末は売ってないんです。それなら、auやソフトバンクの店頭窓口で、乗り換えの特典をフルに利用するのもありだと思います。
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