人見知りは膨大な情報のインプット期間

 

今の成長過程の姿に対してレッテルを貼ってしまうと、その時点の姿を固定してしまいかねません。成長を阻むことがないように、大人が意識して配慮していくことが重要です。そして、自信や自尊心を育むうえでも、子どもの前で発する言葉には、とても慎重にならなければなりません。

人見知りは決して悪いことではありません。

「今」子どもはたくさんの情報をインプットしている最中です。自分が「大丈夫」と思えるようになったとき、自ら人とかかわったり、コミュニケーションをとったりするようになります。 

大人の期待や願う姿を前面に出してしまうのではなく、子どもの「今」の姿を大切にしながら、焦らず、子どもが自分のペースで進んでいけるようにかかわりましょう。

 
【まとめ】
● 子どもが恥ずかしがっている場合は無理強いしなくて大丈夫。
● 色眼鏡をかけずにクリアな目で子どもの姿を見る。
● 少しずつ変化している姿を認める。
● 子どもの前で「この子人見知りだから」と言わないように配慮する。

著者プロフィール
モンテッソーリ教師あきえさん:
幼稚園教諭、保育士、小学校教諭。モンテッソーリ教師(国際モンテッソーリ協会ディプロマ)。一児の母。幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に、「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままで良いのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。現在は「モンテッソーリ教師あきえ」として、Instagram、Voicy、Twitter、YouTubeなどでモンテッソーリ教育を子育てに落とし込んだ情報を配信中。Instagramでは、開始4カ月で1万フォロワーを達成し、現在のフォロワー数は7万人。Voicyではこれまでに130万回以上再生されている「モンテッソーリ子育てラジオ」を放送中。Instagram、Voicyでは、今までに延べ1500件以上の子育て相談に答えてきた。また、子育てセミナーを開催し、モンテッソーリ教育に沿って「子ども」について解説している。

 

『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』
著者:モンテッソーリ教師あきえ すばる舎 1540円(税込)

子どもの“自ら育つ力”を引き出すモンテッソーリ教育をベースに、乳幼児の子育てに関するさまざまな悩みや疑問を解決する方法を紹介する参考書です。園だけでなく、ご家庭での取り組み方や対応についても解説されているため、誰でもすぐに実践できるものばかり。大人同士のコミュニケーションに応用できる知識も満載です。


イラスト/菜ノ花子
構成/さくま健太

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