財産分与も面会も思い通りにさせろという夫


仕方なくBさんは離婚訴訟を起こしました。先の弁護士さんは高過ぎてもう頼めない。そこで今後は知人に紹介してもらった「離婚だけなら着手金と成功報酬、各20万円で受けてあげるよ」と言ってくれた弁護士さんにお願いすることにしました。すると夫は財産分与も面会交流も自分の言う案で取り決めてからではないと離婚には応じないと主張。

しかし自営業で借金癖のある夫は赤字申告で預貯金ゼロ。つまり財産分与するのは夫ではなくBさん。子どものためにと貯めていた預金だけでなく、Bさんの独身時代の財産も含めてその半分以上を自分に分与し、さらに面会も思い通りにしたいというのが夫から出された離婚の条件だったのです。夫は経済的DVをしておきながら、Bさんの預金の分与までを求めているというわけで、もうやりたい放題です。

まともな協議や和解への歩み寄りなどが全くない頭の痛くなるような訴訟を続けること9カ月。ある日突然夫は「不受理申出を取り下げるから協議離婚にしよう」と言い出しました。あれだけの暴言を吐いたにもかかわらず、「Bの戸籍に裁判離婚と残るのは彼女のためにならないだろうから」などと調子良く。

かさむ弁護士費用、支払われない婚費。経済DVをしておきながら、預金の分与まで求める夫_img0
 

住む場所も仕事もお金も、精神的な安定さえも失ったBさん。もはや係争が生活の中心です。せめてここまで酷いことをされた事実を残したくて、裁判離婚で上等、戸籍なんてどうでもいいから記録を残したかったBさんですが、この機を逃せばまた離婚が遠のいてしまう。離婚が成立しなくてはひとり親の手当も支援も受けられない。

 

泣く泣く協議離婚に応じたというBさんですが、これ以上この件について相手から訴えられることを防ぐための精算条項の必要性などについて弁護士からのアドバイスはなく、面会交流についても財産分与についても決めないまま離婚だけが成立したのでした。

弁護士費用、ここでさらに40万円プラス。

やっと離婚できた!と晴々としたBさんですが、元夫は彼女が前を向くことを許してはくれませんでした。またもや審判が申し立てられたのです。

面会交流です。
 

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