男の真価を発揮するイケオジたちがハートを直撃


若手組の紹介が足早になってしまいましたが、悪く思わないでください。実は、本記事の肝はここからになります。

 

筆者がミモレ読者の皆さんに一番おススメしたいのは、内野聖陽、西島秀俊、浅野忠信らの“イケオジ(イケてるおじさんの略)”層です。とはいえ、三者とも「おじさん?」と疑問符が付くくらい若々しいのですが……。

まずは内野聖陽&西島秀俊でピンと来た方も多いでしょう。そう、BLドラマ『きのう何食べた?』で仲睦まじい同性(&同棲)カップルを演じ、日本中を熱狂させた二人です。しかし、今回は内野聖陽が「気仙沼編」の父親役、西島秀俊が「東京編」の気象キャスター役と、異なる舞台にキャスティングされています。直接の絡みがあるかどうか気になるところですが、脚本家が同じであることを踏まえつつ過去作のパターンを振り返ると、筆者は8割の確率で「ある」と踏んでいます。ちなみに、内野聖陽は『ふたりっ子』(1996年度後期)、西島秀俊は『純情きらり』(2006年度前期)でヒロインの恋の相手を演じた(西島秀俊は変化球的でしたが)という朝ドラつながりがあります。

ヒロイン・百音の父、永浦耕治を演じる内野聖陽。写真提供:NHK

ヒロイン・百音が東京で出会う気象キャスター、朝岡覚を演じる西島秀俊。写真提供:NHK

そして、朝ドラ初登場となる浅野忠信。若い頃の彼はエッジの効いたミニシアター系映画によく出ていて、ファッションアイコンとしても支持されていましたよね。徐々に作品の幅を広げ、それこそロシア語の映画(主演作『モンゴル』は傑作です)やハリウッド大作に出たりもしましたが、筆者からすれば、お茶の間が最も似合わなかった男がお茶の間ど真ん中の「朝ドラ」に来てくれた、と感慨深くもあります。渋谷や裏原宿のイメージが強い彼が武骨な東北の漁師をどう演じるのか、しっかり見届けたいと思います。

亮(永瀬廉)の父、及川新次を演じる浅野忠信。写真提供:NHK

おそらく、男の真価が現れてくるのはこのくらいの世代からではないでしょうか。必要以上に尖らなくなったけど丸くなりすぎてもいない。優しさと厳しさの絶妙なバランスを、イケオジ組が体現してくれるのではないかと期待しています。