前回は杖の使い分けについてお話しました。一方の歩行器はどうでしょうか。歩行器は、固定型の歩行器、二輪歩行器、四輪歩行器などに分かれます(参考文献1)。
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固定型の歩行器
二輪歩行器
四輪歩行器
歩行器を選ぶ基準はバランス力
二輪、四輪となるにつれて、動きはよりスムーズになりますが、車輪がつくことで安定感は欠くことになります。よって、歩行器にしっかり体重をかけなければならない人、深刻なバランスの障害があり常に歩行器でバランスを維持しなければならない人は固定型の歩行器を使う必要があります。しかし、腕の力で持ち上げながら歩かなければならず、スムーズな歩行は望めません。
安定感を残しながらも歩行器を持ち上げる必要がないのは、二輪歩行器です。パーキンソン病の人には、この二輪歩行器がスムーズな歩行の助けになる可能性が報告されています(参考文献2)。
パーキンソン病は、歩行が小刻みになって歩きづらくなる症状が出てくるのが特徴の一つです。しかし、目印があると歩きやすさが増すことがわかっており、二輪歩行器はその目印としての役割を持ちながらスムーズな動きを助け、かつバランス障害の助けにもなるのです。
一方、バランスをしっかり維持されている人には、四輪歩行器がよりスムーズな歩行を可能にします。買い物カゴや椅子がついているものもあり、歩き途中に座っての休憩が必要な人にも最適です。
例えば、肺の病気や心臓の病気がある人が活用しやすい歩行器です。ただし、安定感に欠くため、バランス障害のある人が用いると、かえって転倒を招くことも知られています(参考文献3)。
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