海外セレブのニュースを観ていても周りを見ても、今のOver40って本当に若い。とは言え、「アラフォー」と「アラフィフ」には見えない壁があって。

私自身、40歳を過ぎてからも30代の頃と変わらない気でいましたが、43を過ぎた頃からアラサーとはやっぱり肌も体力も変わってくる。さらに45を過ぎてアラフィフ世代に突入すると、いよいよこの先の老後のことが視野に入ってくるように。

50代は何となく想像がつくけれど、60代になったときの自分ってどうなっていて、どんなことを思っているんだろう。そこはまだ未知の領域なのですが、そんな中、しばしば自らを「私は大器晩成タイプ」と形容している女優のジュリアン・ムーアが、60代を迎えた今の心境について語っていました。

写真:WWD/Penske Media/アフロ

ジュリアンは去年12月に60歳になったばかり。そもそも20代で映画『ブギーナイツ』でオスカーにノミネートされ、その後も数々の映画賞を獲得した彼女が自身を大器晩成と呼ぶのはなぜなのか。

それは、30代まで仕事漬けの日々を送っていて、プライベートが充実していなかったから。

「私はすごくラッキーだったと思う。実際そうなのよ。若い頃は勤勉で仕事にほんとに集中してた。忍耐力があってブレなかったし、いつだってオーディションの準備は完璧で時間にも正確。本当によく働いたわ。だけど私の個人的な人生は、30代前半まで、全然成功していなかったのよ。だから決めたの、『私はプライベートでも幸せを手に入れよう』って。家族が欲しかったし、子供も欲しかったから、同じように子供が欲しい誰かと一緒になろうと決めたの」。

26歳の時に俳優でプロデューサーのジョン・グールド・ルビンと結婚し、7年後に離婚しているジュリアンは、キャリアでは成功したけれどプライベートの幸せでは失敗した、そんな風に感じていたのです。

そして一念発起したあとは、30代後半で、当時交際していた映画監督のバート・フレインドリッチとの間に息子を出産。その後娘にも恵まれ、2003年、43歳の時にバートと再婚。ジュリアンも実は〝晩婚さん〟だったのですね。

ジュリアンと、夫のバート・フレインドリッチ。写真:INSTARimages/アフロ

60歳のバースデーは、夫と、23歳の息子と19歳の娘、家族全員で過ごしたというジュリアン。「年を重ねるというのは特権であるのに、それを否定的なこととして語るのは馬鹿げているわ」とコメント。

ルックスの若々しさを保つ秘訣については、幼い頃から、美意識の高い母親に日焼け止めを必ず毎日塗ってもらっていたこと、現在ではマイクロニードルと高周波を用いたフェイシャルエステをしょっちょう受けていることを明かしていました。そして食事はたっぷりの魚と野菜が中心。「だけどダイエットは得意じゃないの。ワインが大好き。自分をハッピーにしてくれるものはやめられないわ」。

エイジングに何のためらいもないと言う彼女。一見、「そりゃそうよね。キャリアとプライベートも成功していてお金と美貌もあって、老後に何の不安もないセレブだもの」とやっかんでしまうかもしれませんが、私はそうではないと思うんです。

そのときそのときの状況で、自分で考えうる最上の選択をして、それに一生懸命向き合う。そうやって生きてきた、その積み重ねが「今」。誰もが同じカードを配られるわけじゃないし、人生の課題は人それぞれ違うはず。それならば、そもそも、同い年の他人の生き方や暮らしぶりと自分を比べたりするのは何の意味もないこと。

今からでもそうやって生きるのは決して遅くない(子供を産むことだけは別かもしれませんが)。そう、ジュリアンが30代で自分が本当に欲しいものに気づいたように。

私も彼女のように60歳を晴れ晴れとした気持ちで迎えられるように、とりあえずは50歳までのあと2年間、毎日を精一杯生きてみよう。そんな気持ちになりました。

 


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