人気エディターの小林文さんに、最近気になるアイテム、お気に入りのコーディネートを紹介してもらいます。
前回からすっかり間があいてしまいました……! ご無沙汰しております、改めましてエディターの小林 文です。
季節が確実に移り変わっている今、着々と夏服を揃えています。その中でも増えているのが“ニット”。私、大のサマーニット好き、なのです!
「冷え性対策で?」と思われるでしょうか。いえいえ、むしろ私、相当な暑がりです。学生時代なんて、部活が始まる前の更衣室ですでに滝汗を流すくらいの“汗っかき担当”(笑)。
そんな汗っかきだからこそ“ニット”にたどり着いた理由、それは、「汗が目立ちにくいから」です。
たしかにカットソーは涼しいのですが、汗対策が難しい。カラーTシャツを着ようものなら、すぐに脇の色が変化してしまうし、目立たないからって白Tばかりを着ているわけにもいかない……。
その点、ニットは汗をすっと吸いつつ、その跡を見せないから、「あ! あの人、汗かいてる!」とはならないし、乾きも速い。
それに、カットソーは薄手の場合が多いので、たいていインナーにキャミソールなどが必要。ただ、夏はそれさえ暑く、できれば一枚で済ませたいわけで。
これもまたニットならば解決! 濃色かつハイゲージを選べば透けず、キャミソールは不要。下着の上に直接着てしまったらそれでOK! なのです。
とはいえ、冬に着るウールのニットではありません。コットンやリネン、ときにはレーヨンが入ったものなど、ドライなタッチのニット、あくまで“サマーニット”を選びます。
それでは、今季すでに購入した、3つのニットをご紹介しましょう。
まずは、シンゾーンのノースリーブニット。
コットン100%でカラッとしています。程よく肉感がありつつも、編み目が細かいので暑苦しさはナシ。表面はシルクのように滑らかです。
キュッと詰まった首元、肩先がちょこっと隠れるアーム、そして裾。この3箇所にはリブが施されており、シティボーイが着ていそうな、品のいいトラッド……といったイメージ。なんともシンゾーンらしいデザインです。
そうそう! このこっくりブラウンも購入の決め手。赤みもくすみもないブラウン、実は昨今のレディースブランドにはあまりないんですよね。
つづいて、ジョンスメドレー。
英国の老舗ニットブランド、ジョンスメドレー。冬のニットは言わずもがな名品ですが、実はサマーニットも優秀。私が展示会のころから目をつけていたのは、このスキッパータイプでした。
素材は、シーアイランドコットン。ジョンスメドレーの春夏モノは、この素材を軸に展開しています。シルクのような自然な光沢(テカテカという意味ではなく)、カシミアのようなしっとり感……もう着ているだけで心がほぐれます。
ドロップショルダーで身頃がゆったり、そして半袖より断然腕をすっきり見せてくれる五分袖。デコルテの開き具合だってさすが! 計算されています。
色の展開も多く、散々店内で悩みましたが、やはり私的定番色、ネイビーに♡ ネイビー好きだからこそネイビーには少々うるさい私ですが、ジョンスメドレーのネイビーは、混じりっけのない素直なネイビー。文句のつけようがありません。
インディゴデニムと合わせて、夏のオールネイビーを満喫するつもりです。
最後に紹介するのは、ベイジ,のニットスカート 。
レーヨンとナイロンを混合させたニット地は、シャリっとしていて清涼感たっぷり。ニットスカートって、体のラインを拾いすぎてソワソワしがちですが、ベイジ,はそんな大人のデリケートな気持ちをよーくわかってくれている!
体に寄り添うけれどギュンギュンに締めけてくることはない、絶妙なフィット感で、緩やかなマーメイドラインを描く。鏡に映る自分を“スタイルがいい人”と錯覚させてくれます(笑)。
それに、夏は座っているとき、太もも裏にも汗をかいてしまって立ち上がりたくない……なんてことがありますが、ニットスカートの吸水性は本当に頼りになります。
シャツと合わせてキリッと、が気分。真夏になったら、モノトーンのフォトTに合わせるのも良さそうです。
最後に、私が夏にニットを着る理由をもうひとつ。それは、夏の着こなしに知的なメリハリを作ってくれること、です。
トップスとボトムのワンツーコーデで成立させたい夏。ニットの夏っぽすぎない素材感は、Tシャツよりもきちんと感があって、ブラウスよりもラフ。夏の素材とミックスすることで、単調にならず知的な装いへと引き上げてくれるんです。
ほら、「夏のニット、サイコー!」って思いませんか?
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