あんたには絶対親権は渡さないよ


夜中に突然「子どもの顔を見に来た」と訪ねて来た彼。

心の準備ができていなかったCさん。彼を怒らせたくないあまり「子どもは私たちのことには関係ないし、赤ちゃんの時なんて一瞬なんだからまた顔を見に来てくださいね。私も頑張るから」と言ってしまいます。

すると彼はまた子どもを連れて行こうとしました。

何のスイッチが入ったのか「子育てを軽く見ているなら連れてくぞ、子どもをよこせ!」とCさんに迫ってくる。抵抗するCさん。首を絞められ彼の爪が食い込み流血して、初めて娘を抱いたままだったことに気づき、落とさないよう布団の上に子どもを置くと諍いはさらにヒートアップ。取っ組み合いになり「連れて行かないでー!」と大声で叫んだところまでは覚えていると言いますが、その後の記憶は曖昧。朝、目が覚めるとなぜかまだ彼は家にいて、Cさんは全身あざだらけ。

あざだらけの体を見せたら相手が逆上すると思って、Cさんは買い物に出かけ、そして交番の前を通りかかります。そこでやっと我に返りました。

「警察に行かなくては」と。

でも、Cさんは交番に入ることがどうしてもできませんでした。

なすすべなく家に帰るしかなく、その日の記憶は朧げで、それからずっと不安は募るばかりだったといいます。

そしてやってきた3回目の連れ去りは、これまでとは違ったものでした。

 

きっかけは他愛もない話から。

『アルプスのハイジ』について「ハイジごっこができるのはいつかな、楽しみだなー」と言ったCさんに、「俺とお前がこれから信頼関係を回復できたとしても、娘の成長には手も口も出させない」と真顔で彼が言ってきたのです。

 

「話し合いも無理?」と聞いたら「ああ」と。

そこで「あなたとはやって行けない」とはじめてハッキリ伝えたCさん。

するとお決まりの「連れて帰る」というセリフ。「出た、またか」と思いつつ、前のように子どもをとりあい揉み合いになるのも困るので黙っていたら、勝手に連れて帰ろうとする。だから「あんたには絶対親権は渡さないよ」と言い、Cさんは戦う覚悟を決めました。

冷たい雨の降る深夜1時過ぎのこと。
「お前は卑怯者だ」と捨て台詞を吐き、子どもを無理やり連れて、彼は出て行ったのでした。

(次回につづく)

前回記事「「子どもは俺のもの。産んだらお前は用無しだ」産んだばかりの我が子と引き離されて...」はこちら>>

 
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