喧嘩しながらも自分をさらけ出せる友達がいるって面白い(市川)


西田さん演じる青葉春子は一人息子リクを持つシングルマザー。でも母息子は二人暮らしではなく、春子の友人のめいことその彼氏のソラオと4人で暮らしています。そこにある日、転がり込んでくるのが高校生の女の子・優子。市川さん演じる国枝知世の一人娘です。

抜群のセンスと味が評判の小さな店をプロデュースし、ライフスタイルの分野ではちょっとした有名人である知世は、小さな世界の心地よさの中で生きる春子にとって、コンプレックスのようなものを感じさせる相手でもあります。ふたりは高校時代を共に過ごした、趣味もピッタリ合う親友同士でしたが、小さな行き違いから、この20年は連絡をとっていません。

市川:知世って、この20年間、春子に甘えてたんだと思うんですよね。

 

西田:でもきっと、ふたりとも繋がりたかった、会いたかったんじゃないかな。完全に断絶した友人のところに娘を送り込まないし、送り込まれた方も預かったりしないはず。知世がお店で出している「はあちゃんライス」だって、春子が考え出したメニューだけど、春子の名前をつけなくたっていいわけだし。

知世の食堂の看板メニュー“はあちゃんライス”。映画『青葉家のテーブル』より (c) 2021 Kurashicom Inc.

市川:え?「はあちゃんライス」って、春子の「はあちゃん」だったの?そうだったんだ……って、みんな知ってた?言ってよ~!

 

西田:知らなかったの(笑)。

市川:知らなかった(笑)。でも喧嘩しながらも頼れると言うか、自分をさらけ出せる友達がいるって、何か面白いな。

 

西田:知世のプロデュース癖も、このくらいの年齢になれば、結構楽しい相手のような気がする。困った時だけ「どうすればいいと思う?」と聞いたら、ノリノリでアドバイスしてくれそうだし。でも、必要がない時は聞かない。これが学生の時みたいに、ずーっと一緒で、喋ったり遊んだりする相手だと重たくなってしまうと思う。

市川:もし私なら、知世とは二泊三日の旅行くらいで十分。それ以上は無理かも(笑)