ここ数年、ダイバーシティの波に乗れずに低迷してきた米ランジェリーブランド、ヴィクシーことヴィクトリアズ・シークレットが、リブランドを目指して業務改革することを発表。これを機に、今までヴィクシーの顔的存在だったブランド専属モデル、「エンジェル」の制度を廃止することに。

ヴィクトリアズ・シークレット、2018年のショーより。写真:AP/アフロ

かつてはヘレナ・クリステンセンやステファニー・シーモアなどの元祖スーパーモデルを起用し、2000年から2007年までエンジェルのトップに君臨したジゼル・ブンチェンをはじめ、ハイディ・クルム、そしてミランダ・カーなどの人気モデルたちを輩出してきたエンジェルがなくなるのはさみしい限り。単なるセクシーとは違う、彼女たちのうっとりするようなランジェリー姿をヴィクシーのカタログで眺めるのが、毎月の楽しみのひとつだった時代もあったなあ。

そして1997年から10年間エンジェルを務めた、エンジェル史上初の黒人モデルとなったタイラ・バンクスが、リブランドのニュースを受け、インスタグラムで自身の想いとヴィクシーへのエールを投稿。

 

「初めてというのは大変。初めてというのは孤独。だけど初めて、は必要なこと。初めては残酷だけど、だからこそ、他の人たちがフィットできるようにドアを開けることができるの。私は、1995年に始まって以来、ヴィクシーと契約した初めての黒人モデルで、ヴィクシーのカタログのカバーを飾った初めての黒人ヴィクシーモデルだった。ブランドにとって、そのほかにも様々な固定観念を破った、初めての黒人ヴィクシーモデルだったの、ほかのブランドと同じようにね。だけど初めてのあとには、たくさんの流れが来なければならない。違いの流れ、個性の流れ、その流れはとても強くて、数えられないほど」

タイラはこう続けています。

「私は16年前にランウェイを引退したけれど、人生の中で、美の革命の証人となったことを誇りに思っているわ」

タイラがヴィクシーでモデルを務めていた間には、人種差別を受けたこともあったとか。

そんなヴィクシーは、今後は外見を基準にすることなく、エンジェルの代わりに「VSコレクティブ」と名付けたアンバサダーたちとパートナーシップを結びました。そのメンバーとは、難民キャンプ出身の黒人モデル、アドゥ・アケチ、ミス・ワールドでインド人女優のプリヤンカー・チョープラー・ジョナス、トランスジェンダーモデルのヴァレンティーナ・サンパイオ、プラスサイズモデルのパロマ・エルセッサー、女性サッカー選手のミーガン・ラピノー、モデルとしても活躍する美貌の持ち主で、北京五輪でのメダルも期待されている女子フリースタイルスキー選手アイリーン・グー。そしてフォトグラファーのアマンダ・デ・カドネと、美しさも才能も多種多様な女性たち。

今の時代の流れに乗って変わりゆく、新生・ヴィクシー。どんなブランドに生まれ変わるのか、楽しみですね。


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