前回お話した高齢者のやせや栄養不足において、その原因には薬の副作用、うつ病、噛んだり飲み込んだりする能力の低下、食事介助の必要性、不適切な食事制限などが考えられます。高齢の両親や祖父母の食が細くなってきたなと思ったら、そのようなところに注意してみてください。

 


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入れ歯が合わず食べにくい……


例えば、食事摂取を考える上で、歯のメンテナンスというのは非常に重要なポイントです。皆さんは歯のメンテナンスはしっかりできているでしょうか。

歯磨きのような予防行動も、あるいは定期的な歯科医の受診も、先にご紹介した運動と同じく、即効性のあるような効果が感じられにくいことも多いため、軽視されがちです。虫歯がいくつかできるぐらいなら、少し痛みを感じる程度であまり不便はないかもしれません。

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しかし、虫歯や歯周病が長年積み重なると、やがて歯が抜け落ち、自分の歯でものが食べられなくなってしまいます。そうなった時に、人は初めて後悔するものですが、「時すでに遅し」で、自分の歯を取り戻すことはできなくなってしまいます。

高齢者ですでにご自分の歯を失ってしまっている場合には、入れ歯を使うこともできます。しかし、ここにも落とし穴があったりもします。

家族からすると、「入れ歯を使っているから大丈夫」と思える状況かもしれませんが、時間とともに痩せ細ったりすることで、もともと使っていた入れ歯が合わなくなることも珍しくありません。それが思わぬ落とし穴で、「入れ歯を使っているのに」入れ歯が原因で食欲の低下につながっているケースがあるのです。

 
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