これまで、健康や体の機能の維持に運動が大切だということをいくつかの研究結果を通して考えてきました。運動はまず0より1、そして好きなもの、続けられるものを選び、継続性が大切であるということを学んできました。
しかし、実際にはただ運動をしていればいいというわけでもありません。
運動と両輪をなすのが「栄養」です。適切な運動と適切な栄養の両輪が噛み合って、初めて体の機能、健康が維持されていきます。
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「健康な食事」は年齢や持病によって変わる
ここで「適切な栄養」とは何かについて、少し考えておきたいと思います。
例えば、30代や40代のうちは食べ過ぎが問題になることも多く、高血圧や糖尿病を発症すると、病気の治療として食事制限が課されていくことになります。あるいは、私の住むアメリカでは、言うまでもなく肥満が大きな問題となっていますが、ここでもやはりカロリー制限が治療の根幹をなします。
このような場合では、「適切な栄養」とは「過剰な栄養摂取を避ける」ことになるでしょう。
一方、高齢になると、今度はやせや栄養不足の方が問題になってくることがあります。
歳とともに持病を抱える確率も増えるので、「健康に気をつけよう」と意識して、自ら食べられるものを制限してしまうこともあります。本来はもう塩分制限も糖質制限も必要がないにもかかわらず、真面目な方ほど熱心に行ってしまい、歳を重ねる中で食べられるものがあまりなくなってしまうという方もいます。
「健康を維持する」と言っても、その意味は年齢や持病によって変わってきます。肥満がある人にとっては、食事制限が「健康な食事」ということになるかもしれませんが、やせがある人にとっては、食事をたくさん食べることが「健康な食事」になるかもしれません。
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