自分の足に気を配っていない人が多い
身体機能を維持する上で、大切なのにもかかわらず見落とされがちなのが足です。
体の健康維持というと、ついつい運動や筋肉に話題が集中しがちですが、足は歩く上で最も大切な体のパーツの一つであることは言うまでもありません。しかし、高齢者の診療をしていると、意外にも多くの人が自分の足に気を配っていないことに気がつきます。
私は、外来で必ず足を1回は診察するようにしています。靴や靴下を脱ぐのは時間がかかることも多いので、挨拶を済ませると、自分が電子カルテを立ち上げている時間を使って診察台でまず靴と靴下を脱いでもらうように指示をするのです。
病院を受診しても、足のけがなどでなければ、靴や靴下を脱いでくださいと言われて、足を診られるという経験は滅多にないかもしれません。このため、患者さんの中には、自分は肺の病気や高血圧で受診しているのになぜ足を診るのだとおっしゃる方もいます。
しかし、私は肺を治療できればそれでいいと思っている訳ではありません。肺が良くなっても足の問題を見落とし、歩けなくなってしまったのでは主治医として失格です。
ですから、「肺ももちろん大切だけれども、健康に毎日を過ごせるお手伝いをしたいので、歩く上で大切な足も確認したい」と伝えています。幸い、それを聞いて反対する人はいません。
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