ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載です。今回は、「恋は狩り」と言う肉食系の直美さんが真剣交際を考えるようになったきっかけを聞きました。
28のとき、結婚前提に交際していた彼に裏切られてからは「恋は遊び」と割り切って、複数の相手をキープするような交際をしてきた直美さん。それが変わったのは、40歳の頃のこと。仲のいい友人からずっと進められていた恋愛映画、『きみに読む物語』を観たことがきっかけでした。
ライアン・ライアンズ主演のこの映画は、恋に落ちた女性を一途に思い続ける男性の純愛を描いた名作で、私のいちばん好きな恋愛映画でもあります。
直美さん:主人公がいろんなことがあってもひとりの相手をあきらめずに信じ続け、愛し続ける姿を観て、なんて美しい愛なんだろうと思ったんです。相手がどうこうじゃなくて、「自分」が愛し続けると決めていることが、美しいなって。同時に、「私のしている恋愛って、美しくないな」とも思いました。そして、この映画を観て感動し「いいな」と思うということは、自分も心の奥底では純粋な愛を求めているのかもしれないと気づいたんです。それなのにどうして私はふた股や浮気するような恋愛ばかりしているんだろうと思って、そこからはそういう付き合い方をするのはやめました。
そこから付き合ったのは、仕事で出会ったふたつ年下の男性。このときももちろん、肉食女子の直美さんから口説いたそう。だけど6年間付き合って同棲までしたけれど、一緒に居るのは楽しくても、結婚はピンと来ない相手でした。
さかい:どういうところが結婚相手としては違うと感じたんですか?
直美さん:面倒見が良くて優しいし愛情深い人なんだけど、それは私の愛情が欲しいからそうしてるんだなって、常に何となく感じていたんです。私はさみしがりやの要素が少しもないんですが、彼はさみしがりやで、常に誰かに居て欲しいというタイプ。私に優しくしてくれるのも、「こいつには俺が居ないとダメだ」って感じたいんだなあと思ってしまって。
5、6年ほど付き合い、同棲もしていたその男性とは、「結婚はないな」と思いつつ、ダラダラと付き合っている状態が続いていました。
それにしても、「恋は狩り」と言う肉食系の直美さんですが、同じように結婚願望がなく恋愛をライトに楽しむ男性とは違い、女性の場合、アラフォーを過ぎると何だかんだ言って「結婚しなきゃ」という焦りが生まれることが多い気がします。その辺り、直美さんはどう感じていたのでしょうか。
直美さん:仕事は楽しいし、ひとりでも全然平気で困ったことなんてない。さみしいから誰かと付き合うんじゃなくて、「この人と付き合いたい」と思うから狩りに行くわけであって。周りはみんな結婚してるし「40までに結婚した方がいいよ」って言われたけど、「何で?」って思ってました。
ひとりでも平気。束縛が嫌い。そんな彼女が結婚を決めた相手は、直美さん曰く「羽毛のように軽くて包容力のない男性」でした。その理由と彼との出会いのお話は次回に続きます。
構成/川端里恵(編集部)
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