アラフォー女を狙う「ロマンス詐欺」の悲劇

 

「さらに半年くらい経つと、多くの人から“そろそろいい人できたでしょ?”と口々に言われるようになって。しまいには、婚活中の友達から“婚活してるよね? え、してないの? 何やってるの?”と急かされるようになりました」

 

こうして“独身なら婚活をするのが当然”と言わんばかりの風潮に背中を押されるようにして、再婚活スタートを決意した舞子さん。しかし時を同じくして、コロナ禍に突入してしまいました。

「飲み会など出会いの場への抵抗感が増し、男性と知り合う機会が一気になくなりました。ただ、コロナ禍をきっかけにマッチングアプリを始めたという人の声を多く聞くようになったので、影響を受けてマッチングアプリデビューをしました」

舞子さんが前のご主人と結婚する前は、マッチングアプリが今ほどメジャーではなかった時代。第一歩を踏み出すのには勇気が必要でした。以前から婚活をしている友人からは「最近どんどん“いいね”をもらう数が減ってきて……」などとリアルな声も聞いていたからです。

ところが、そんな不安を一気に払拭する出来事が。なんと舞子さんは、びっくりするほど素敵な外国人のイケメンとマッチングしたのです。

「英語が得意なこともあり外資系のマッチングアプリを使っていたのですが、紳士的で優しくて、しかもまるでモデルみたいにカッコいい外国人が現れて。人生捨てたもんじゃないな、と一気にポジティブになれたし、自己肯定感も上がりましたね」

ところが、そんな時間は長く続きませんでした。

「いわゆるロマンス詐欺だったみたいで……。そのイケメンは存在しない人だったんです。写真も全く別人のものを悪用していたようです」

ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリでアプローチをするように見せかけて、実は振り込め詐欺等に誘導するネット上の詐欺。ここ数年で急増している犯罪です。

舞子さんが気づいたキッカケは、会話が全く噛み合わないことでした。住んでいる場所や仕事の詳細について尋ねると、必ずはぐらかされてしまうのです。友人に話すと「それ、ロマンス詐欺じゃない?」と言われ、プロフィール写真を画像検索にかけたところ、全く別人と思われる人物の写真を勝手に利用しているのがわかったそうです。

「よく考えたらそんなおいしいことがあるはずないのに、なんでバカみたいに浮かれていたんだろう、と一気に落ち込んで。せっかく未練もなくなっていたはずの元夫が恋しくなりました……」

その後、舞子さんはマッチングアプリは続けていたものの、すっかり懐疑的になってしまったそう。外見の良い男性は全て詐欺に見えるので排除し、あえて普通の男性とだけマッチングするようになったと言います。

そんな矢先に舞子さんが出会ったのが、2歳年下の裕太さん。彼も同じ子ナシバツイチでした。

デート中、裕太さんは舞子さんに再婚の意思を尋ねることが多かったそうです。

「再婚はしたい? 子供は欲しい? というようなことを何度も聞かれました。彼自身は離婚から完全に立ち直っていたこともあり、再婚願望が強かったようです。子供についても真剣に考えていたようで、本気の婚活中だったと思います」

舞子さんは、裕太さんと3回ほどデートをしました。彼はとても穏やかで真面目な男性。まさに“夫にするならこういう人”という理想像に近く、好感度も抜群でした。

そこまでは順調に思えたのですが……。