あすみんさんからの質問
Q.
同居を始めた母に、冷たくあたってしまう自分に凹みます

父が亡くなったため、高齢の母(78歳)を引き取って一緒に暮らしています。でも……。離れて暮らしているときはとても母に優しくできていたのに、毎日顔を合わせていると、同じことを何度も言ったり、しょっちゅう物をなくしたりする母にイライラ。すぐ怒ったり、きつい口調で接したりしてしまいます。とても優しい母で大好きだし、感謝もいっぱいなのに、優しくできない自分に凹みます。介護でイライラしない秘訣を教えてほしく思っています。

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答
A.
お母さんを3分間褒め続けてください。その際、「しかし……」と言わないことが大事です。

現代の日本はですね、皆、“冷たい親族”に悩んでいるんですよ。だから“温かい他人”を求めている……。

なぜかというと、日本人というのは、一緒にいて苦痛を感じない家族関係というものを訓練されていないからなのです。お父さんは夜遅くまで仕事をしているし、夫婦や親子の会話は少ないし……。だから誰かが病気になって、24時間一緒にすごすことになったときに、強いストレスを感じてしまうんですよね。

ではどうすれば母に冷たく当たってしまう現状を打開できるかといいますと、お母さんを3分間褒め続けてください。それはもう、歯を食いしばってでも(笑)。そうすれば本当にすぐに、お母さんの顔つきが変わってきますから。

何だそんなことか、と思われるかもしれませんが、これがね、なかなか想像以上に難しいのですよ。私はよく面接で、「あなたのご両親の良いところを3分以内でお話しください」と質問します。すると皆、「両親は立派な人です……」などと始まるのですが、途中から必ずといっていいほど「しかし……」となっていくのです。3分間褒め続けられる人は、本当に少ないのですよ。

ですから、「しかし」と続けずに、お母さんを3分間褒め続けてみてください。本当に人を尊敬するというのは、そういうことだと思うのですよ。そして心から尊敬できる人がいるというのは、とても幸せなことですから。

いかがですか?
樋野先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE
  • 樋野 興夫さん1954年、島根県生まれ。順天堂大学医学部、病理・腫瘍学教授。2008年に「がん哲学外来」を開設。理事長として、がんによる不安を抱えた患者や家族を支援するため、無料の個人面談をおこなっている。その対話からたどり着いた人生観、死生観を綴ったエッセイ『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)が話題となっている。他著書に『いい覚悟で生きる』(小学館)などがある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る