ヒナさんからの質問
Q.
近しい仕事仲間の死。
どう向き合えばいいのか分からない

昨年、直属の上司(女性)が婦人科系のガンで亡くなりました。発見が遅れて、気づいてからわずか1年ちょっとでした。私はいつもその上司と行動していて、おそらく、彼女の家族より一緒に過ごしていた時間が多かったと思います。発見の半年ほど前に、「お腹が随分膨らんでいるな」と気になっていたし、「最近、腸の調子が悪くて・・・」という話も聞いていました。おかしいとは思ったのですが、単に太っただけだとしたらあまり触れるのも失礼かと思い、何も言いませんでした。あのとき「病院に行ったほうがいいですよ」とちゃんと言っていれば、早期発見できたのではないかと責任を感じています。
一方で、「そんなの、分かんないよね~」とあっけらかんとして、彼女のことを忘れている同僚もいて、なんとなくモヤモヤとした気持ちを抱えてしまいます。家族ではない仕事関係の親しい人の死。どのように向き合えばいいのか……、戸惑っています。

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答
A.
死に向き合うためにも、自分の人生の“役割”というものを一度真剣に考えられてみてください

こればかりは、仕方のないことですよね。人間は皆、いつかは死にますから。ですからときどき彼女のことを思い出して、「彼女のためにも頑張ろう」と心新たにされるのがいいでしょう。そうすれば、彼女の存在が、アナタにとっての支えにもなりますから。

それから、亡くなった人のことを忘れている周囲にモヤモヤするとのことですが……。人間というのはね、みんな冷たいんですよ(笑)。だからあんまり人に期待すると、疲れちゃいますよ。それよりも自分自身が、人生から期待されるように生きましょう。

人間はどんな境遇にいようとも、必ず自分の“役割”というものがあります。
「自分は何のために生まれてきたのか」
「残された人生をどう生きたいのか」
「そのために自分は何をすればよいのか」

これが人間の最終目標でもあり、人は死を意識すると、この最終目標を真剣に考えます。――ヒナさん、アナタの役割は何ですか? ぜひ一度、それについて真剣に考えられてみてください。そうすれば自ずと、親しい人の死にどう向き合えばいいかも、見えてくるのではないかと思いますから。

いかがですか?
樋野先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE
  • 樋野 興夫さん1954年、島根県生まれ。順天堂大学医学部、病理・腫瘍学教授。2008年に「がん哲学外来」を開設。理事長として、がんによる不安を抱えた患者や家族を支援するため、無料の個人面談をおこなっている。その対話からたどり着いた人生観、死生観を綴ったエッセイ『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)が話題となっている。他著書に『いい覚悟で生きる』(小学館)などがある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る