Chippyさんからの質問
Q.
一度大病をした後の、前向きに生きる秘訣は?

1年半前にがんを発症しました。初期ステージで、手術で治癒。再発の可能性もほとんどない、と担当の先生も言ってくれています。でも、自分ががんになったということじたいがショックで、「もし再発したら」と情緒不安定です。せっかく病気は治ったのに、こんな不健康な状態では意味がないなと思ったり……。何か、「大丈夫!」と楽天的になれるようなアドバイスをいただけませんでしょうか。

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答
A.
空から自分の住処を見るような視点で、
自身の人生を見つめられてください

病気をされた後、「病気をしたのはもしかするとこのときのためだったのか」、「病気をしたからこそ今の私がある」とおっしゃられる方は本当に多いのです。そのように、後から意味が分かることというのは多くあるものです。ですから今は、“今の生”を全力を尽くして生きられてください。

それでも不安でたまらないようでしたら、是非、最寄りのがん哲学外来やメディカルカフェに来てください。

がん哲学外来やメディカルカフェのコンセプトは、「誰もがふらっと気軽に行ける場所で、そこに行くと何かを見出すことができる」なのです。運転席から前だけ見て運転している状態では、見えないものはいっぱいありますよね。でも上空から車を見れば、周囲にあるものや景色など、たくさんのものが見えてきます。

今のChippyさんは、自分の住処の中に閉じこもって、そこからしか自分の住処(人生)を見ていない状態だと思います。ですから違う場所に出て、そこから住処を眺める視点を持ってみてください。きっと何かを見出すことができ、気持ちにも変化が生まれると思いますよ。

空の上から俯瞰するというのは、私が尊敬する新渡戸稲造の教えでもあります。偉そうなことを言いましたが、私も、何とか空から自分の住処を見るような視点で行動しようと、心がけている毎日なのです。

いかがですか?
樋野先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE
  • 樋野 興夫さん1954年、島根県生まれ。順天堂大学医学部、病理・腫瘍学教授。2008年に「がん哲学外来」を開設。理事長として、がんによる不安を抱えた患者や家族を支援するため、無料の個人面談をおこなっている。その対話からたどり着いた人生観、死生観を綴ったエッセイ『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)が話題となっている。他著書に『いい覚悟で生きる』(小学館)などがある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る