aikoさんからの質問
Q.
親が亡くなった年齢を超えたことで、少し不安……

両親がわりと早くに亡くなっていて、とくに母は42歳で病気で亡くなっています。昨年、その母の亡くなった年齢を超えました。私は外見から性格から母にとても似ているので、あまり長生きできないんじゃないかと、どことなく思っています。長寿家系という言葉も聞くように、短命の家系もあるのでしょうか? 今のところ、いたって元気なのですが……(笑)。

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答
A.
比較をやめないと
変えられないことに振り回され続けますよ

人生には、変えられることと変えられないことがあります。変えられることは、変える勇気を持つ。でも変えられないことは、受け止める冷静さを持つ。これが大事です。

人は“自己放棄”の精神で、無頓着に大胆にならないといけません。人生なんて、結局なるようにしかならないのです。だから変えられないことは、「ほっとけ」ですよ(笑)。

人間というのはですね、皆、人や何かとの比較で悩んでいるのです。男性は、「アイツのほうが出世している」。女性は、「あの人のほうが幸せそう」と……。「親が〇歳でこうなったから」というのも、一つの比較です。日本人というのは、褒めて育てる、という教育がなされていないから、「私は私」となかなか思えないのですね。でも人はどんな境遇にいようとも、自分の“役割”というものがありますから。

けれども人と比較している間は、その“役割”というものは見えません。では比較をやめるにはどうしたらいいかと言いますと、暇になることです(笑)。仕事も、譲れるだけ譲ればいいんです。自分にしかできないことなどというのは、案外少ないものなのですよ。大抵のことは人に譲っても、まわっていくものですから。

がんにかかった患者さんにも、これまでの役職や実績にかじりつこうとする人は多いのですが、そうしているうちは、自分の本当の“役割”は見えません。

人生なんて、衣食住が足りていれば、それでいいじゃないですか。給料をもらって干されるのが、一番いいですよ(笑)。それくらいの大胆さと無頓着さを持って生きていれば、本当に大切なことが何か、きっと見えてくるはずです。そうすれば、変えられないことにも、きっと振り回されなくなると思いますよ。

いかがですか?
樋野先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE
  • 樋野 興夫さん1954年、島根県生まれ。順天堂大学医学部、病理・腫瘍学教授。2008年に「がん哲学外来」を開設。理事長として、がんによる不安を抱えた患者や家族を支援するため、無料の個人面談をおこなっている。その対話からたどり着いた人生観、死生観を綴ったエッセイ『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)が話題となっている。他著書に『いい覚悟で生きる』(小学館)などがある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る